子犬の噛み癖について|子犬から噛み癖を直すしつけのポイントをご紹介
人間の赤ちゃんと同じように子犬は見たものすべてを口に入れ、ハムハムカジカジしながらそれがどんなものかを覚えていきます。モノだけではなく、人の指や洋服、髪の毛など何でも口に入れてしまいます。
このように子犬が噛むことを一般的に「甘噛み」と呼び、子犬期独特のものであるとされていますが、社会で暮らしていく上で、しつけによってやめさせなくてはいけない行動です。そこで今回は、子犬はなぜ噛むのか、やめさせるべき理由と噛み癖を直す4つのしつけポイントについてご紹介します。
子犬が噛む・噛み癖があるのは何故?
犬は本来、噛む動物です。子犬の時期に噛むことを甘噛みと呼び、「かわいい」「子犬はしかたない」などと、噛む行為自体を放置されがちです。しかし、永久歯へと生え変わる前の子犬の乳歯はとても尖っていることが特徴で、その尖った歯で噛まれると思わず「痛いっ」と叫んでしまいます。
小型犬の場合は、痛みを感じる程度で済みますが、大型犬の子犬では皮膚に穴があくほどの強さがあります。なぜそんな小さな歯で子犬は噛むのか、まずはその理由を知っておきましょう。
社会化されていない
子犬の歯が生え変わる時期は、子犬が犬同士のルールを学ぶ社会化期にあたります。通常は親兄弟と育つため、じゃれあってお互いを噛み合いながらコミュニケーションを図り、噛まれると痛いということを学習しています。この時、あまりに噛み方が強い子犬には、母犬が間に入り「噛むと痛い」ということを身をもって教えます。
しかし、母犬や兄弟犬から早い時期に引き離された子犬は、この社会化期を適切に過ごすことができていないため、噛むことの加減やルールを学習していないため、本能の赴くままに噛んでしまっている可能性があります。
要求を通すために噛む
噛んだことで一度でも要求が通ってしまうと、子犬は噛めば何でもやってくれると思ってしまいます。そのため、かまってもらいたい、遊んでもらいたいなど自分の要求を噛むということで表現している可能性があります。
歯の生え変わりの時期
人間は、6歳ごろから12歳ごろにかけて乳歯から永久歯に生え変わりますが、犬の場合は生後4ヶ月から8ヶ月ごろにかけて乳歯が永久歯へと生え変わります。歯の生え変わる時期は、歯茎がムズムズするため、何かをカミカミしたくなるのは犬も人間も一緒です。
子犬がムズムズ解消のために好むのは、飼い主の指をはじめ匂いがついたスリッパや靴、コード類、家具の角など家の中にあるあらゆるものです。
遊びの一環として噛む
子犬との遊び方としてよく見かけるのが、指をカミカミさせている光景です。痛くないからといって子犬にあえて指を噛ませていると、子犬がおもちゃの一つとして人間の指を認識してしまい、おもちゃと同じように噛んでしまう可能性があります。
また、引っ張りっこなど人間と一緒に遊んでいるうちに、興奮状態がエスカレートしてしまい、思わず噛んでしまうというケースもあります。
噛む子犬にしつけが必要な理由
どんな子犬でも甘噛みはします。通常、子犬の甘噛みは生後8ヶ月程度、乳歯が全て生え変わる頃には終わると言われています。この甘噛みの時期に人を噛んではいけないことを教えておかないと、本気噛みへと発展する可能性があるため、子犬期に噛んではいけないことをしっかりしつけておくことが必要です。
成犬になってからでは遅い
子犬の甘噛みは「痛い」程度で済みますが、成犬になってから子犬の時と同じようにじゃれて噛まれた場合は、大怪我をする可能性があります。
また、甘噛みの段階でしっかりとしつけをしなかったことで、犬が「人を噛んでもいい」と子犬期に学習してしまう可能性があるのです。そうなってしまうと飼い主だけではなく、他人に対しても噛んでしまう「噛み犬」に発展してしまいます。
噛む犬に育ってしまった場合、通常のしつけ教室や訓練所での矯正は難しいとされています。
飼い主にとって恐怖の存在となってしまう
言葉で意思を伝えることができない子犬は、「遊んでほしい」「かまってほしい」「ご飯がほしい」など自分の要求を甘噛みという手段で伝えることもあります。この要求を一度でも許してしまうと犬は「甘噛みをすればいうことを聞いてもらえる」と学習してしまいます。そして、成犬になってからも要求を聞いてもらいたい時には「噛む」という行動をとるようになってしまうのです。
成犬の場合は、甘噛みではなく本気噛みです。小型犬でも、硬い骨を噛み砕くだけの力と鋭さを持った歯で一度でも噛まれてしまうと、可愛いはずの愛犬が恐怖の存在へと変わってしまいます。また、その行動が他の人へ及んだ場合は、大きな社会問題となってしまうため、絶対に「噛む」ということを覚えさせてはいけません。
子犬の噛み癖を直すしつけのポイント4つ
はじめのうちは子犬の甘噛みを可愛いと思いがちですが、噛むことを覚えさせないために早いうちから「やってはいけないこと」と教える必要があります。
噛み癖をつけさせないためにも、甘噛みを始めた時からしつけをスタートしましょう。
- 根気よく繰り返し教える
- 家族全員で言葉を統一する
- 社会化をしよう
- 噛んでもいいものを与える
ポイント1.根気よく繰り返し教える
犬は、本能の行動として「噛む」ことを行います。これは自然界で生きている動物全てが持つ本能です。家庭犬として迎えたからといって、子犬にこの本能がなくなっているわけではありません。
特に子犬期は歯がムズムズすることから、何かを噛みたいという欲求を強く持っています。そして、成犬になっても何かを噛みたい欲求は持ち続けます。この生理的な欲求を人に向けないためには、人を噛んではいけないことを繰り返し根気よく教える必要があるのです。
ポイント2.家族全員で言葉を統一する
子犬にやってはいけないことを覚えさせるしつけをするときには、一般的に「ダメ」「いけない」「NO」などの言葉を使います。この時、家族全員が統一した言葉を使うことがポイントです。
特に、早いうちにやめさせたい「噛む」という行動の場合は、「これは痛くないから許そう」「これは痛いからやめさせよう」などと家族一人ひとりが気分で行動してしまうと、子犬は混乱してしまいます。絶対にやめさせたいという強い意志を持って、少しでも甘噛みをしたら、家族全員が同じように叱ることが大切です。
ポイント3.社会化をしよう
人間社会に慣れていない子犬は、目にするものすべてに恐怖や不安を感じることがあります。この「恐怖」や「不安」といったストレスから飼い主の手を噛む場合もあります。そのため、人間社会で共存していくのに必要な車の騒音、他人、見知らぬ動物などに慣れさせる社会化を子犬期にしっかりとしておく必要があります。
犬の恐怖心は攻撃性へと変わる可能性があるため、「怖がり」な犬に育てないようにしっかりと社会化をすることが大切です。
ポイント4.噛んでもいいものを与える
子犬の噛みたいという欲求を満足させるために、「噛んでもいいもの」を与えることも甘噛みをさせないポイントの1つです。人の手は噛んではいけないけれど、このおもちゃは噛んでもいいものであることを教えましょう。
最近では、子犬の甘噛み期に適した噛むおもちゃが多数販売されています。どんなおもちゃが好きかは、犬の性格にもよるので、子犬が気にいる物を探してあげることも大切です。
子犬の噛む癖は早いうちにしつけで治そう
子犬の甘噛みは、子犬独特のもの。かわいい子犬の時期なら指をカミカミされるとついついかわいく思ってしまうため、わざと指を口に入れてカミカミさせてしまいがちです。
しかし、どんなにかわいくても早いうちに甘噛みをやめさせておかないと、噛み癖に発展してしまう可能性があります。子犬に噛み癖がついてしまうと、一緒に楽しく暮らしていくよりも、いつ噛まれるかと不安な気持ちになってしまい、犬も人間もストレスを感じてしまいます。家族の一員として犬と一緒に楽しく暮らしていくためにも、噛み癖を習慣付けないようにしっかりとしつけをすることが大切です。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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