「犬のイエローリボン」の2つの意味について|知っておきたいシンボルマーク
日本では、障がいを持つ人びとの社会参加を推し進める運動を象徴するシンボルとして「イエローリボン」が活用されています。身に付けることで、何かの社会運動に参加している意志を表明できる「アウェアネス・リボン」の一種で、国やその時代によって象徴する意味は異なります。
犬を取り巻く社会に対して意志を表明するためのイエローリボンも存在していますが、見かけたことはありますか?犬のイエローリボンにはどんな意味があるのでしょうか。この記事では「犬のイエローリボン」が持つ2つの意味をご紹介します。
イエロードッグプロジェクトについて
飼い犬と言っても、人慣れしている犬ばかりではありません。人間から虐待を受けて脅えた性格をしていたり、攻撃性が強かったり、また病気から回復途上にあるなど、理由があって人間や他の犬があまり触れるべきではない子もいるのが事実です。
そんな犬たちのためにあるのが「イエロードッグプロジェクト」という運動です。
スウェーデンから世界中に広まった啓発活動
イエロードッグプロジェクトとは、スウェーデンの犬の心理学者や、ドッグトレーナーなどが中心となって作ったグループが発祥だとされていて、ウェブサイトやSNSなどで世界中に拡散されてきた啓発活動の一種です。
また日本でも啓発用ポスターが訳されて配布されており、目にする機会も増えてきています。
どんな犬がイエローリボンを付けているの?
イエローリボンを付けている犬の事情も様々。どのような子たちがイエローリボンを付けているのでしょうか?
トレーニングやしつけの最中の場合
盲導犬や聴導犬などが、訓練の一環で街中へ出てくることがあります。そんな時に近付いたりすると集中力が切れてしまい、訓練の邪魔になってしまいます。
障害があったりリハビリ中の場合
体に障害があったり、病気やケガからの回復途中にある犬は、あまり近づいてほしくないもの。歩行訓練をしていることもあるため注意が必要ですね。
人間や他の犬が恐い場合
生まれつき臆病な性格だったり、過去に受けた虐待などで人間や他の犬が恐い場合があります。不用意に近づいたり触ろうとするとパニックになることも。特に保護犬などの場合、基本的には人や他の犬に慣れていないことが多いため、そのような傾向が強いと言えるかもしれません。
イエローリボンはどこに付けてある?
基本的にはリードにイエローリボンが付いて、分かりやすいようになっています。「見かけたらそっとしておいてほしい」というサインですので、なるべく近寄らないよう離れるようにして下さい。また、狭い道ではこちらから道を譲りましょう。
イエロードッグプロジェクトの一環で、黄色いバンダナを付けたわんちゃんもいます。わかりやすく「怖がりです」「触らないでね」とメッセージが書かれている場合も多いです。
リボンマグネットで動物を救う?
よく、自動車のボディーにマグネット式のリボンマークを付けている方がいらっしゃいますよね。色はイエローだけでなくピンクやレッド、シルバーなど様々。そこには深い意味があって、ガンやエイズ、色々な障害に対する理解や支援を表す啓発活動です。
リボンマグネット以外にも、ピンバッジやステッカーなどもあります。その中でも犬をモチーフとした種類もたくさんあり、それらは支援を必要としている犬のために役立っています。
イエローリボンはどこで買える?
国内で最も有名なのはリボンドネーションという団体で、犬のイエローリボンに関しては犬種ごとのモデルや、肉球タイプのバウモデルなどが販売されています。
また日本聴導犬協会モデルや動物愛護NPO法人モデルなどもあり、バリエーションが豊富ですね。
リボンドネーション公式サイトから購入できる上、ショッピングサイトやカー用品店などでも販売しているため手に入りやすいでしょう。
支援金はどのような団体に寄付されている?
販売に関わる売上金の約1割が犬のために寄付されています。どのような団体に寄付されているのかご紹介していきます。
日本盲導犬協会
目の見えない、見えにくい人たちが気兼ねなく外出し、普通の生活を送るために手助けをするのが盲導犬です。日本盲導犬協会は、盲導犬の育成や視覚障碍者の社会進出や福祉のために活動しており、社会啓発にも力を入れています。
日本聴導犬協会
聴覚障碍者にとって必要な「音による情報」を伝えるのが聴導犬の仕事です。日本聴導犬協会は、高度な訓練を受けた聴導犬たちを育成しているだけでなく、捨て犬を保護して訓練に従事させるなど動物愛護活動も行っています。
保護犬NPO団体など
捨て犬や飼育放棄、迷子になっている犬たちを保護して里親への譲渡を目的とする団体です。メディカルチェックやワクチン投与、避妊や去勢手術などが必要なため、寄付や支援がとても重要な組織です。
犬のイエローリボンは優しさのシンボルマーク
リボンとは「結び付ける」という意味を表し「優しい絆」という解釈もできるでしょう。そんなリボンを介して、犬たちを暖かく見守れるような社会を作っていくことは私たちの責務かもしれませんね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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