犬の歯は全部で何本かご存知ですか?構造や役割を知って愛犬の歯周病予防に役立てよう!
犬の歯を見たことはありますか?犬は口や足などを触られることを嫌がるため、歯磨きや爪切りなどで、暴れて大変という飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。ここでは犬の歯の構造や本数、役割についてお話しします。
歯の構造は?
それでは、歯の構造はどうなっているのでしょうか。ここでは、歯の構造について詳しくお話しします。
1)歯冠、エナメル質、歯肉、歯肉溝
歯冠、エナメル質、歯肉、歯肉溝は肉眼で見ることのできる歯の表面です。まず、歯冠は歯肉から出ている歯のことで噛み付く、すり潰すなどの働きがあります。エナメル質は、歯冠を覆う硬い層のことで歯をコーティングし守ってくれます。あまりに強い力が加わると、折れてしまうこともあるので注意が必要です。歯肉は歯の根元部分で、歯を支えます。歯肉溝とは、歯冠と歯肉の間のことで細菌が入り込むことでこの隙間が広がっていきます。
2)象牙質、セメント質、歯髄、歯槽骨
象牙質、セメント質、歯髄、歯槽骨は歯の断面構造にある部位です。象牙質は、エナメル質の奥にある部分で歯を内側から支えています。セメント質は、歯と歯根膜をつなぐ役割を持ち、歯髄は歯の中心の神経や血管が通っている部分のことです。歯槽骨は歯を支えるための骨で、歯周病が進行していくと歯槽骨を溶かしていきます。
犬の歯の本数は?
犬も人間と同じで、まず乳歯が生え、抜けて永久歯が生え変わります。犬の歯を知るためには歯がいくつ生えているのか知る必要があります。ここでは乳歯、永久歯の本数についてお話しします。
乳歯の本数
犬の乳歯は、だいたい生後3週ごろから生えはじめます。乳歯は切歯が上6本、下6本、犬歯が上2本、下2本、前臼歯が上6本、下6本の全部で28本です。乳歯は犬歯から生えはじめ、前臼歯、切歯と順番に生えてきます。
永久歯の本数
犬の永久歯は、生後5カ月ごろから生え変わりはじめます。永久歯は切歯が上6本、下6本、犬歯が上2本、下2本、前臼歯が上4本、下4本、後臼歯が上4本、下6本の全部で42本です。永久歯は乳歯より白く丸みを帯びています。まれに、乳歯がそのまま残る乳歯遺残を起こすことがありますが、抜けるのを1歳ごろまで待つか手術で抜歯するなどの方法があります。
歯の役割は?
それぞれの歯には、どんな役割があるのでしょうか。ここでは、歯の役割についてお話しします。
1)切歯の役割
切歯は、一番前に生えている歯で食べ物を噛み切る役割があります。犬はあまり噛むことをしないため、使われることは少ないですが、口の中の食べ物が外に出てしまわないための役割もあります。切歯は、一番歯垢がつきにくい部位なので、切歯に歯垢や歯石がついている場合、歯周病などの口腔内疾患を引き起こしている可能性が高いです。
2)犬歯の役割
犬歯は、食べ物を逃さないようにがっしりと噛み付くための役割があります。食べるというより仕留めるためのものです。犬歯は、歯の中で一番尖っているため、甘噛みであっても噛まれると痛いです。特に乳歯の場合は、細く尖っているのでかなり痛いです。犬歯頬をめくるとすぐ見える部位なので、切歯同様歯垢がつきにくい部分です。犬歯は綺麗なのに、臼歯は歯石だらけということもしばしばあります。与えるおもちゃやおやつの種類はしっかり検討し選びましょう。
3)臼歯の役割
臼歯には、前臼歯と後臼歯があり、食べ物を引き裂きすりつぶす役割があります。食べ物が最後まで残りやすい部位なので、歯垢や歯石が非常に付きやすいです。歯石であれば歯磨きなどのケアで除去できますが、歯石になってしまうと取り除くことはできません。動物病院で行う歯石除去術を行えば綺麗になりますが、一度行うとさらに歯垢がつきやすくなるため定期的に行わなければいけません。頬の裏側にある臼歯は犬が嫌がりケアがしづらい場所ですが、歯磨きなどの毎日の口腔内ケアが大切です。
歯は一生モノ!大事にしましょう
ここでは犬の歯についてお話ししました。犬の歯も人間の歯と同様に大事なものです。犬は人より歯垢から歯石に変わるスピードが早く、歯周病を発症することが多い動物です。歯の本数や構造を知ることで犬の歯の状態を理解することもできるので、一度愛犬の口の中をチェックしてみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。