犬のくさいニオイの原因5つを徹底解説|対策や減らし方も紹介
犬と一緒に暮らしていると、犬特有のくさいニオイが気になりますよね。
飼い主さん自身はよくても、来客にはあまり感じさせたくないものではないでしょうか。
今回は犬のくさいニオイの原因と対策について解説します。
犬が放つニオイの原因を知り、対策していきましょう。
犬のくさいニオイの原因5つ
犬のくさいニオイの原因は、主に以下の5つが挙げられます。
- 身体のニオイ
- 口のニオイ
- 便のニオイ
- お尻のニオイ
- 耳のニオイ
犬特有のくさいニオイの原因は、一箇所だけではありません。
私たち同様に身体のさまざまな部位から発生し、もっといえば飼育環境や犬の体調によってもニオイの強さは変化します。
上記の5つの原因について順番に見ていきましょう。
体のニオイ
犬のくさいニオイの原因のひとつは、体のニオイです。
具体的には、犬の体から出た汗と皮脂が合わさって繁殖した雑菌が放つニオイを指しています。
犬は汗をかかないと思っている飼い主さんも多いと思いますが、そうではありません。
確かに犬には私たちのように汗を作り分泌するための汗腺は鼻先の一部や肉球にしか存在しないため、汗をかくイメージはあまりないといえるでしょう。
しかし汗腺にはさらっとした汗を出す「エクリン汗腺」と、皮脂を含んだ汗を出す「アポクリン汗腺」の二種類が存在します。
アポクリン汗腺は人間でいう脇の下あたりに存在する汗腺です。
ワキガのニオイといえば想像しやすいでしょうか、アポクリン汗腺から出た汗は独特で強いニオイを放ちます。
このアポクリン汗腺は、犬の全身に存在しています。
アポクリン汗腺から出た汗は皮脂と化合して酸化し、雑菌を繁殖させることでくさいニオイを発しているのです。
口のニオイ
犬のくさいニオイの原因として、口臭も挙げられます。
私たち人間と同じく、犬も歯磨きをしなければ口の中に汚れが溜まります。
歯垢と呼ばれる口の中の汚れは雑菌を発生させるエサとなり、大量に雑菌が繁殖してしまうと歯周病の危険も考えなければいけません。
歯周病は歯茎にある歯周ポケットに雑菌が入りこんでしまう疾患です。
症状は口臭や出血、歯茎の腫れから始まり、酷くなると歯が抜けたり頬に穴が空いて膿が出たり、強度の弱まった下顎が骨折してしまうこともあります。
歯垢が歯石へと変化してしまえば飼い主さんだけの力で取り除くことはできないため、麻酔をかけての処置が必要です。
便のニオイ
便のニオイも犬のくさいニオイの原因です。
犬の肛門周りの毛に便が付着することで、くさいニオイを発します。
便自体はどうしても臭うものなのでどうにもできないと思っている飼い主さんもいるかと思いますが、与えるフードによって便のニオイを多少減らすことが可能です。
後述している対策方法でドッグフードの見直し方についても紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
お尻のニオイ
犬のくさいニオイとして、お尻のニオイも挙げられます。
便がついていなくても愛犬のお尻がくさいニオイを発している場合、考えられる原因は肛門腺です。
肛門腺は犬の肛門の下、時計でいう4時と8時の位置に存在し、袋状の形をしているため肛門嚢(こうもんのう)ともよばれます。
肛門腺の中には強いニオイのする分泌液が存在しているものの、通常であれば便と一緒に分泌液も排出されるため、あまりニオイに敏感になる必要はありません。
しかし、分泌液に粘りがあるというような理由でうまく排出されない場合、蓄積されてしまい、肛門からくさいニオイを発する原因となります。
溜まってしまうとニオイだけでなく肛門腺破裂の恐れもあるため、定期的にケアが必要です。
耳のニオイ
最後に犬のくさいニオイの原因として考えられるのは、耳のニオイです。
耳は通常であればそこまで臭うことはありませんが、細菌感染や炎症が原因で外耳炎を発症すると、くさいニオイを発します。
外耳炎は湿気の籠もりやすい垂れ耳の犬に特に多い疾患です。
耳垢が増えたり痒がったりする仕草を見せたら外耳炎を疑い、動物病院で治療を受けましょう。
犬のくさいニオイの対策方法
犬のくさいニオイの原因が分かれば、以下の対策でニオイの元を断ち切れます。
- シャンプー・ブラッシング
- 歯磨き
- ドッグフードの見直し
- 肛門腺のケア
- 耳のケア
順番に見ていきましょう。
シャンプー・ブラッシング
体のニオイにはシャンプーやブラッシングが効果的です。
シャンプーは月2回程度、ブラッシングは毎日行いましょう。
水に濡れるのをひどく嫌がる子の場合、水で濡らす通常のシャンプーのほかに、拭き取りシートや洗い流す必要のないドライシャンプーなどを活用し、頻度を減らす方法を考えてみてください。
犬のニオイや衛生面を考えると月に1度はシャワーを使って通常のシャンプーも必要ですが、ストレスをかけてはいけません。
愛犬に合ったシャンプー方法を探り、体のニオイを落とす対策を考えましょう。
またブラッシングは、毛の長さや体の部位に合わせてスリッカーブラシやラバーブラシ、コームなどを使い分けて埃や皮脂を落とすことが大切です。
全身をブラッシングすることで、健康状態の把握やコミュニケーションにもなります。
散歩後に時間を取って楽しくブラッシングをすれば、愛犬もスッキリするでしょう。
歯磨き
口の臭いをなくすためには、歯磨きが効果的です。
できれば毎日、難しくても歯垢が歯石へと変わる2~3日に1度は行うとよいでしょう。
このとき歯磨き粉は人間用のものでなく、必ず犬用のものを使用してください。
人間用の歯磨き粉には、犬にとって有害な成分であるキシリトールが配合されているものが多いためです。
慣れていない犬に歯磨きをする場合、最初は嫌がると思います。
いきなり長時間行わず、ご褒美を使って徐々に慣らしていきましょう。
最低限汚れの溜まりやすい犬歯や奥歯だけでも磨くなど、効率よく短時間で終わらせてください。
また歯磨きを毎日続けても口臭がおさまらない場合、糖尿病や腎臓病が原因と考えられる場合もあります。
口臭が気になった場合は動物病院で相談することもおすすめです。
ドッグフードの見直し
犬のくさいニオイ対策には、ドッグフードの見直しも必要です。
フードを見直したところで何か変わるのかと疑問を感じる方も多いかもしれませんが、毎日食べるフードは体に大きな影響を与えています。
穀物や添加物を多く含んだフードは犬の腸内環境を悪くさせ、ニオイの強い便を作り出す原因となるため、見直す際は腸に負担をかけないグレインフリーやグルテンフリーのフードを検討してみてください。
肛門腺のケア
肛門周辺のニオイ対策には、肛門腺のケアが重要です。
肛門腺のケアはまず片手で尻尾を軽く持ち上げ、もう一方の手で肛門腺に指の腹を当て、肛門へと押し出すように絞ります。
押し出された分泌物は勢いよく飛ぶ可能性もあるため、肛門をティッシュで覆って処置するとよいでしょう。
力任せに無理矢理絞り出してしまうと、肛門腺が腫れてしまう可能性もあります。
飼い主さん自身で行うのもよいですが、最初はトリミングサロンや動物病院で正しいやり方を教えてもらってから行うようにしてください。
耳のケア
耳からのニオイを防ぐには、定期的な耳のケアが必要です。
自宅で行うケアはイヤークリーナーをコットンにつけ、指の届く範囲の汚れを軽く拭き取る程度で十分でしょう。
コットンを丸めてピンセットでしっかりと耳掃除を行う飼い主さんもいますが、犬が動くと危険です。
定期的に動物病院やペットサロンで耳掃除を行うようにして、飼い主さんは耳垢が多く出ていないか、ニオイは強くないかのチェックに留めておきましょう。
部屋の犬のニオイを減らす方法
犬のニオイ対策について見てきましたが、ここからは部屋についた犬のニオイを減らす方法を紹介します。
- 洗濯をする
- 換気をする
- トイレをきれいに保つ
- 消臭スプレーを使って拭き取る
順番に見ていきましょう。
洗濯をする
犬が普段使っている毛布やベッド、布製のぬいぐるみなどはニオイがつきやすいため、定期的に洗濯を行いましょう。
毛布やベッド、毎日遊ぶぬいぐるみであれば週に1度、洋服は1~3回程度着たら洗うなど頻度を決めて洗うのがおすすめです。
洗濯をする際はまず、粘着テープで抜け毛をしっかりと取り除いてください。
ネットに入れて弱コースで洗濯することで、傷みを最小限に抑えられます。
ニオイが強い洗剤を使うと嗅覚が邪魔されて不安を覚える犬もいるため、ニオイの弱い洗剤を使用して洗いましょう。
生乾きは悪臭やカビの発生に繋がるため、天気のよい日を選ぶか、乾燥機を使用してしっかりと乾かしてくださいね。
換気をする
部屋に漂う犬のニオイを減らすには、換気も重要です。
換気といっても、ただ窓を開ければいいわけではありません。
効果的な換気の方法は、対角線上の窓を開けておくことです。
空気の入り口と出口をつくってあげることで、短い時間で部屋の空気が循環します。
窓が一つしかない部屋では、開けた窓に向けてサーキュレーターを稼働させるのがおすすめです。
あくまで目安ですが、1時間に5~10分程度ずつ換気を行うと、くさいニオイが減らせます。
さらに窓の近くに空気清浄機を置くと、外から入ってくる花粉や埃を防げるので、ぜひ試してみてください。
トイレをきれいに保つ
犬のニオイを減らすには、トイレ周りを常にきれいに保っておくことが大切です。
犬が便をした場合はすぐに片付ける飼い主さんでも、ペットシーツに排尿した際はすぐに替えず、何度か使えるのではないかとそのままにしている方も多いのではないでしょうか。
犬が排尿した際にすぐに片付けなければ、気体となったニオイ成分が空気中に漂い、床や壁に染みこんでしまいます。
また飛び散ったトイレ周辺の尿もすぐに拭いておかなければ、同じくニオイの原因となります。
すぐにペットシーツを片付けない場合は消臭効果のついたものが販売されているので、使ってみるとよいでしょう。
室内でも足を上げて排尿する犬や飛び散る心配のある犬の場合、ガードがあるタイプのトイレを使用したり、壁や床に汚れ防止のシートを貼るといった工夫が必要です。
消臭スプレーを使って拭き取る
汚れてしまったトイレ周辺やニオイの染みついてしまった床や家具などは、消臭スプレーを使って拭き取ることで部屋の犬のニオイを減らせます。
使う機会の多い消臭スプレーは、愛犬にとってできるだけ安全なものを選びたいですよね。
犬に配慮された市販の商品を使ってもよいのですが、そういった消臭スプレーはやや高価な場合が多いです。
量を気にせず使うには、重曹水またはクエン酸水を手作りしてスプレーボトルに入れておくのがおすすめです。
- 重曹水:水100mlに小さじ1杯程度の重曹を溶かす
- クエン酸水:水100mlに小さじ1/2杯程度のクエン酸を溶かす
重曹水はこびり付いた便など頑固な汚れを落とすのによく使え、クエン酸水は尿のニオイを消すのに使えます。
重曹もクエン酸も天然成分のため、安全です。
どちらも安く販売されているので、遠慮なく使えるでしょう。
ニオイの染みついた箇所にスプレーし、拭き取ると手軽にニオイを抑えられるため、スプレーボトルと重曹、クエン酸はぜひ常備しておきたいアイテムです。
ソファやカーペットなどの洗いにくい大物にニオイが染みついてしまった場合でも、重曹水やクエン酸水をスプレーして拭き取ったり乾かしたりするとニオイが軽減します。
ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
今回は犬のくさいニオイの原因5つについての解説と、対策方法や部屋のニオイを減らす方法を紹介しました。
犬を飼っていれば、当然犬が持つ特有のニオイと付き合っていかなければなりません。
それを含めて犬を愛しているとは思いますが、家に来るすべての人に好まれるニオイではないでしょう。
犬自身や部屋が来客にとって不快なニオイを発していれば、あなた自身の印象も悪くなってしまいます。
犬のニオイの原因を知り対策をすることで、誰もが快適に過ごせるような空間を目指していきましょう。
この記事のライター
satoko
わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!
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