飼い主と犬は似るって本当?研究結果から判明したこと
友人や知人に、愛犬と顔や性格が似ていると言われたことはありませんか?
「ペットは飼い主に似る」とよく言われますが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は、飼い主と犬は似るのかについて、最新の研究結果から判明したことをご紹介していきます。
飼い主の性格と犬の性格は似ている?
最近の研究により飼い主とその愛犬は、似ている性格を持っていることが分かっています。さっそく具体的に見ていきましょう。
飼い主と犬は性格の特徴が似ていることが判明
米ミシガン州立大学の社会心理学者が、1600匹以上の犬の飼い主たちを対象に、自分の性格と犬の性格を、それぞれどのように感じているのか、大規模なアンケート調査を実施しました。その結果から、犬の性格は飼い主の性格と関連があり、性格の特徴が似ていることが判明しました。
例えば、自分を「誠実な性格」と回答した飼い主は、自分の犬を「よくしつけがされている」と、忠実さを回答しています。また、自分の性格を神経質だと思っている飼い主は、自分の犬を「臆病な性格」と回答し、「神経質な性格」と関連のある性格の特徴を挙げています。そして自分を「落ち着いた性格」と回答した人は、やはり温和な性格の犬を飼っています。
愛犬の性格に関しては、あくまでも飼い主が感じている性格なので、第3者から見たら客観的な性格ではありませんが、この結果から「飼い主と犬の性格の特徴は似ている」との結論になっています。
犬の性格が飼い主に似る理由は?
ここでは、犬の性格が飼い主に似る理由をご紹介します。
自分のライフスタイルに合った犬を選ぶ傾向にあるため
犬が飼い主の性格に似る理由としては、犬を飼うときに飼い主が、自分のライフスタイルに合いそうな犬を選ぶ傾向にあるからではないか、と考えられています。
例えば飼い主が、犬と一緒にアウトドアや旅行を楽しみたいというアクティブな性格であれば、体力があり活発でフレンドリーな性格の犬を飼えば、楽しく過ごすことができるでしょう。一方、子どもや高齢者も一緒に住んでおり、犬と落ち着いて暮らしたいと考えている飼い主さんであれば、運動が大好きな活発な犬よりも、無駄吠えが少ない温和な性格の犬の方が向いているので、そのような犬を選ぶはずです。
自分のライフスタイルに合いそうな犬でなければ、面倒みきれない可能性も出てくるので、ライフスタイルに合った犬を選ぶのは必然的なことです。このような理由から、犬と飼い主は性格の特徴が似ているのです。
飼い主の行動も関連している
犬の性格は、飼い主の普段の過ごし方も関連していることが分かっています。ある行動学者は、「同調性の高い人は、犬を連れて出かける機会が多い傾向にあるため、犬は屋外のさまざまなことに慣れて、社交性が高くなっていく」と言っています。
確かに、家族以外の人や、車・バイクの音などの外部の刺激に慣れさせないでいると、臆病で必要以上に警戒心の強い性格の犬に育ってしまうため、飼い主の行動が犬の性格に関連していることは頷けるのではないでしょうか。
性格だけじゃない?犬の顔も飼い主に似る?
犬と飼い主の顔が似ていることに関しても、研究により興味深い結果が出ています。
類似性の判断は目がポイントになっている
関西学院大学の心理学者が、「犬とその飼い主のどの部分を見て似ていると判断しているのか」という研究をしたところ、犬と飼い主のそれぞれの目が、「似ている」の判断ポイントになっていることが明らかになりました。つまり「顔の中でも犬と飼い主は目が似ている」ということです。
この実験では、犬と飼い主がペアになっている20組の写真をあえてバラバラにして入れ替え、「飼い主と犬の目を隠す」「飼い主と犬の口を隠す」「飼い主と犬の顔をどこも隠さない」というパターンの写真を500人以上の判定者に見せて、正しいと思う犬と飼い主のペアを解答してもらいました。
その結果、犬と飼い主の両者の目が見えた写真を見せた場合、74%の判定者が犬と飼い主の正しいペアを当てられましたが、飼い主や犬の目を隠した写真の場合は、正答率が50%前後にまで大幅に下がりました。(※1)
これだけ正答率に差があると、犬と飼い主が似ているかどうかは、いかに目の特徴がカギを握っているのかがよく分かります。家族のそれぞれのメンバーと愛犬とで目の特徴が似ているか、ぜひチェックしてみてください。
もしかしたら愛犬と似ているところがあるかも?
「ペットは飼い主に似る」と言われるのも、まんざら外れていなかったのですね。犬と飼い主の性格が似ているかの研究では、あくまでも飼い主が愛犬の性格をどう感じているかを回答したものなので、客観的な性格は少し不明ですが、それにしても似ていると言われる理由は、納得できるものがあるのではないでしょうか。 また、顔が似ているかどうかは、顔全体の印象で判断しているのではなく、「目」がポイントになっているというのも興味深い結果です。自分では気がついていなくても、もしかしたら性格や目元の特徴が愛犬と似ているかもしれませんね!
こちらの記事もチェック
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
関連記事
犬の生態/気持ち
アイリッシュウルフハウンドはどんな性格?上手なしつけ方や遊び方を紹介
全犬種の中で最も大きいと言われる超大型犬のアイリッシュウルフハウンドは、その巨大な体格から少し...
2023年3月28日
犬の生態/気持ち
犬のしぐさクイズ|犬が濡れた体を乾かす以外に、体をぶるぶるさせる理由はなんでしょう?
犬がぶるぶるっと体を震わすしぐさ。 濡れた体を乾かすため以外にもこのしぐさをすることがあるんで...
2023年3月28日
犬の生態/気持ち
コンパニオンドッグトレーナー(家庭犬訓練士)になりたい!資格取得方法やメリット、活躍の場まで
「コンパニオンドッグトレーナー」という資格について知っていますか?動物に関わる資格には色んな種...
2023年3月27日
犬の生態/気持ち
美しい耳が特徴的な犬種『パピヨン』の基本情報を解説|歴史・性格・特徴・育て方まで
蝶が羽を広げたような美しい耳が特徴のパピヨンは、その可愛らしい見た目で大変人気のある犬種です。...
2024年1月26日
犬の生態/気持ち
愛犬が触られて嬉しい場所をみつけよう!撫でるタイミングと愛犬が喜ぶ触り方のコツ
愛犬とのスキンシップは信頼関係を築くうえで非常に重要です。ただ撫でるだけではなく、せっかくなら...
2023年3月26日