犬が鼻を鳴らす理由は?甘える感情表現と呼吸器の病気を見極めよう
みなさんは犬が鼻を鳴らしているのを聞いたことはありますか?犬はコミュニケーションの1つとして鼻を鳴らすことがあり、鳴らし方によって自分の感情表現をしていることがあります。しかし犬が鼻を鳴らすのはそれだけではなく、呼吸器などの病気によって音が出ているケースも。今回は、犬が鼻を鳴らす理由や対処法をピックアップしていきます。
犬が鼻を鳴らす理由
犬が鼻を鳴らすのにはいろいろな理由があり、また犬種によっても異なりますが、主な理由は以下の2点です。
- 鳴らし方によって感情をアピールしたり、コミュニケーションをとろうとしている。
- 呼吸器などの病気の可能性
鼻を鳴らすのはボディランゲージの一種で、言葉を話せない犬が体を使ってメッセージを伝えようとしており、カーミングシグナルとも呼ばれています。鳴き方の違いにより、何を伝えようとしているのかを見ていきましょう。
フンっと短く鳴らす
すこし機嫌が悪かったり嗅覚をリセットしようとしている他に、威嚇や飼い主の気を引こうとして鳴らしている場合があります。あわせて唸っているときは吠える前兆の可能性もあります。
溜息のように鳴らす
溜息をつく理由は諦めや我慢、疲労と言われていますが、散歩やごはんの後など、満足してリラックスしているときも溜息をつくことがあります。
犬がピーピーと鼻を鳴らすのは?
鼻をピーピーと鳴らすのは、聞き覚えのある飼い主さんとぴんと来ない飼い主さんに分かれるかもしれません。この行動は、犬が甘えているとき、寂しがっているときにするとされています。
特に、構ってくれない、飼い主さんと離れることができない分離不安症のためこのように鼻を鳴らしてアピールします。可愛く感じることもあるかもしれませんが、鼻を鳴らせば構ってもらえると学習してわがままになってしまうこともあるので、しつけのためにも構わないことが大切です。分離不安症は、お留守番ができなくなる、問題行動を起こすなど犬にも飼い主さんにも負担がかかる状況となってしまいます。早めにしつけを見直してみましょう。解決できない場合はドッグスクールに通うなど、プロの手を借りることもおすすめです。
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クンクンと鳴らす
クンクンと鼻を鳴らしている場合は、鳴らし方によってポジティブな理由とネガティブな理由があります。恐怖やストレスを感じている場合は高く鳴く傾向にあり、鳴らし終わりが低くなる場合は、喜びを表していることが多いです。
ガーガーと濁点のついた音で鳴らす
濁った音で鼻を鳴らしている場合は、興奮状態という場合もありますが、何らかの呼吸器疾患を患っている可能性が高いです。また、くしゃみを吸い込んでいるようであれば逆くしゃみをしていることも考えられます。逆くしゃみは命に関わることはないとされていますが、他の病気が隠れていることもあるため、愛犬が苦しそうであったり何度もするようであれば一度動物病院の受診をおすすめします。
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短頭種は鼻が鳴りやすい
マズルが短いという体の構造上、鼻が鳴りやすい犬種がいます。甘えているのではなく、呼吸器、気道が狭い状態にあるため、呼吸が荒かったり、鼻を鳴らしたりすることがあります。
「短頭種」と呼ばれるブルドッグやパグ、ボストンテリアなどは、よく観察が必要です。短頭種の犬がかかりやすい呼吸器トラブルをピックアップしていきます。
鼻腔狭窄(びくうきょうさく)
生まれつき鼻の穴の狭い、先天性の病気です。感染症やアレルギーなどで症状が悪化することもあるので、グーグーと鳴らす以外にも、激しくブヒブヒとした呼吸をしたり、鼻水を良く飛ばすなどの症状があれば、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
短頭種気道症候群
気管虚脱や軟口蓋過長症などの疾患が合わさって短頭種気道症候群を引き起こしていると考えられています。特徴として鼻をグーグー鳴らす症状が挙げられます。他にも息が荒くなる、ハアハアと舌を出すようなことも。いびきなどもあり、肥満が重なるとよりひどくなる傾向があります。犬はハアハアと呼吸するパンティングによって体温を発散しますが、うまく呼吸ができないと熱を発散できずに高体温になってしまう危険性もあるので、注意が必要です。
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犬が鼻を鳴らす時の対処法について
先ほども述べましたが、犬が鼻を鳴らすのは、甘えたい、構ってほしいというシグナルのことが多くあります。短時間でも遊んであげると満足することもありますが、毎回構ってしまうと自分の言うことを聞いてくれると学習してしまうため注意が必要です。また、体の不調を訴えるときもよく似た鼻の鳴らし方をします。ピーピーと鳴らしたりクーンクーンと鳴らす場合です。普段そのような行動をしない場合は、体の不調や痛みがあるかもしれません。様子をよく観察して、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
威嚇で鼻を鳴らす場合は、トラブルになる前に「マテ」などのコマンドで愛犬の行動をコントロールすることが大切です。
病院に連れて行った方がいいのはどんな時?
犬が鼻を鳴らすのは、感情表現であることが多くあります。しかし、呼吸器などの病気のサインの可能性もあるので慎重に様子を見てください。息が苦しそう、ブフブフと豚のような鳴き方をする、頻繁に鼻を鳴らしているなど気になる様子があれば動物病院を受診しましょう。症状により対処法が異なるので必ず獣医さんの指示に従ってください。甘えてピーピーと鳴らすなど健康に問題がない場合は主従関係を構築するトレーニングやお留守番ができるようなトレーニングにチャレンジしてみましょう。
愛犬が鼻を鳴らしていたら様子をよく観察しよう
犬が鼻を鳴らすときは、カーミングシグナルと呼ばれる感情表現のケースが多くあります。しかし、鼻息が激しくなったり、様子がおかしいときは必ず獣医さんに相談してみましょう。早めに解決できれば愛犬も安心して過ごすことができます。どんなふうに鼻を鳴らすか、どんな時に鼻を鳴らすかなど、日頃の様子をよく観察してみてくださいね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!