犬のマウンティングをやめさせる方法|マウンティングする理由も解説
「愛犬がマウンティングを頻繁にするようになってしまった」
「散歩中にほかの犬にマウンティングをして迷惑をかけた」
とお悩みの飼い主さんは多いです。
マウンティングをすると、陰部に傷がついたりマナー違反になったりするのでやめさせるべきです。
しかし、習慣化してしまうと矯正するのはなかなか難しいでしょう。
マウンティングをする理由は様々なので、見極めて対処が必要となります。
この記事では、マウンティングの理由や、やめさせる方法について紹介します。
目次
犬のマウンティングとは
マウンティングとは、ほかの犬や人、ぬいぐるみに覆いかぶさる行動を指します。
成長過程や犬のコミュニケーションのひとつとされ、犬にとっては自然な行動です。
交尾の動きと似ていますが、多くの場合は遊びまたは別の理由があります。
マウンティングはオスの犬だけでなく、メス犬や子犬もすることがあります。
犬がマウンティングをする理由
犬がマウンティングをするのは、個体差によるものが大きく、生後3ヵ月からみられる場合もあれば、成犬になってもまったく行わない犬もいます。
犬や人間に対して行うものと物に行うもので理由が変わってくるので、それぞれの理由について解説していきます。
犬や人間に対して
犬や人間に対してマウンティングを行う理由は以下のとおりです。
- 発情している
- 上下関係を示している
- 興奮している
- 一緒に遊びたがっている
それぞれの理由について解説していきます。
発情している
オス犬はメス犬がだすフェロモンのにおいによって発情します。
人間にはまったくわかりませんが、オス犬は数キロ離れたメスのにおいを察知できるといわれています。
本能的なものなので、飼い主さんがきちんと管理することが大切です。
特に去勢手術をしていないオス犬の飼い主さんは、メス犬と近づけないようにしましょう。
上下関係を示している
犬社会のなかで、マウンティングをすることで自分の優位性を相手に示すことがあります。
主に年齢が近い犬や、年下の犬に対して行うことが多いです。
犬同士の遊びの中で、力比べや互いの社会的な地位の確認などの意味合いがあります。
メス犬や子犬がほかの犬にマウンティングすることも少なくありません。
興奮している
遊んでいるうちに嬉しさや楽しさのあまり、マウンティングをする場合があります。
犬と一緒に遊んでいるときに、急に猛スピードで走りだすのも興奮によるものです。
飼い主さんにマウンティングするときは、楽しさのあまりの興奮の場合が多いでしょう。
また、お調子者で明るい性格の犬や興奮しやすい性格の犬は、マウンティングしやすくなる傾向があります。
一緒に遊びたがっている
一緒に遊んでほしいときや、かまってほしいときに愛情表現としてマウンティングをすることがあります。
「最近、忙しくて遊んであげられていないかも」と心当たりがあったら、愛犬は遊んでほしいと訴えているのかもしれません。
愛犬との遊ぶ時間やふれあう時間を増やしましょう。
物に対して
物に対してマウンティングを行う理由は以下のとおりです。
- ストレスを発散している
- 独占欲を表している
- 退屈である
それぞれの理由について解説していきます。
ストレスを発散している
散歩の時間が十分でなかったり、引越しで家庭環境が変わったりした場合、ストレスでマウンティングをすることがあります。
雨の日が続いて散歩に行けないと、運動不足で八つ当たりとして行うケースもあります。
運動する時間を設けたり、飼い主さんとのコミュニケーション欲求を満たしてあげたりすることで、ストレスが溜まらないように工夫しましょう。
独占欲を表している
お気に入りのものを誰にもとられたくないという気持ちからマウンティングをすることがあります。
これは「独り占めしたい」という独占欲の表れとして、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃに対して行っています。
ほかのおもちゃで遊ばせ、気を逸らせると良いでしょう。
退屈である
ほかにすることがなく、遊びや暇つぶしのためにクッションやぬいぐるみにマウンティングをするケースがあります。
退屈からマウンティングを繰り返すと、クセになってしまうので注意しましょう。
散歩する時間や走る量を増やして、エネルギーを発散させ、マウンティングが習慣にならないように防ぐと良いです。
マウンティングはやめさせるべき?放置するとどうなる?
結論からいうとマウンティングはやめさせるべきです。
マウンティングをやめさせなかったり、放置したりすると以下のような悪影響があります。
- マウンティングが習慣化してしまう
- 飼い主の言うことを聞かなくなる
- ほかの飼い主さんや犬に迷惑をかけてしまう
- 犬の陰部が傷つく
マウンティングによる悪影響について解説していきます。
マウンティングが習慣化してしまう
マウンティングが習慣化してしまうと、やめさせるのが難しくなります。
繰り返すうちに、マウンティングでしか興奮をしずめられないと思い込んでしまうためです。
また、飼い主さんが愛犬のマウンティングを放置することにより、「飼い主には犬(自分)を管理する能力がない」と犬は認識してしまいます。
飼い主さんの態度により犬の自己主張的行動が強くなり、吠えやかみつきに発展する可能性もあります。
飼い主の言うことを聞かなくなる
マウンティングを放置すると、飼い主さんと愛犬の信頼関係が崩れてしまいます。
「わがままを何でも聞いてくれる!」と愛犬が勘違いした場合、飼い主さんの言うことを聞かなくなってしまいます。
マウンティングしそうになったら「フセ・マテ」といった指示をしましょう。
ほかの飼い主さんや犬に迷惑をかけてしまう
マウンティングのクセを直していないと、お散歩やドッグランなどでほかの犬や人に迷惑をかけてしまいます。
犬や人にマウンティングをさせないことは犬の飼い主としてのマナーです。
自分の愛犬がよその犬にマウンティングをされた飼い主さんは、いい気分になりませんよね。
犬が同性同士だった場合、ケンカに発展してしまう可能性もあります。
犬の陰部が傷つく
マウンティングを放置していると、陰部に傷がつくことがあります。
デリケートな箇所なので、気づかずに傷が化膿してしまうケースも少なくありません。
化膿してしまうと、薬を飲んだり、傷を舐めないように首にエリザベスカラーと言われる保護具をつけたりする必要があります。
かえって愛犬にストレスを与えることになるので、マウンティングは普段からやめさせるようにしましょう。
犬のマウンティングをやめさせる方法
ここでは犬のマウンティングをやめさせる方法について紹介していきます。
愛犬のマウンティングで困っているなら、ぜひご覧ください。
去勢・避妊手術をする
去勢、避妊手術をするとマウンティングをしなくなる犬もいます。
しかし、去勢後でもマウンティング行動をする犬もいるので、必ずしも去勢、避妊手術したらマウンティングをしなくなるわけではありません。
その場合は、ストレスが溜まっていないか、しつけの見直しが必要です。
もし去勢、避妊手術をする場合、まずは獣医師に相談しましょう。
運動する量を増やす
運動不足によってマウンティングをする犬は、運動量を増やすことによってマウンティングをしなくなることもあります。
特に大型犬や活発な犬は運動量が必要なので、散歩だけで足りない場合があります。
ドッグランで走ったり、ボール遊びをしたりして、運動量を増やしましょう。
雨で散歩に行けないときは、室内でおもちゃを使って工夫して遊んでみてください。
トレーニングをする
マウンティングをしそうになったら、「フセ・マテ」をしてやめさせるようにトレーニングします。
例えば、散歩中やドッグランでほかの犬にマウンティングをしそうになったら「フセ」または「マテ」の合図を出します。
「フセ」または「マテ」をさせることで犬が冷静になり、マウンティングをせずに済むのが理想的です。
シーン別!犬のマウンティングへの対処法
次にもう少し具体的に犬のマウンティングへの対処法を紹介します。
飼い主にマウンティングする場合と物に対してマウンティングをする場合、ほかの犬に対してマウンティングをする場合の対処法を紹介します。
飼い主にマウンティングをする場合
飼い主さんにマウンティングをする場合の対処法は以下のとおりです。
- 無視する
- 必ず同じ対応をする
- ハウスに入れる
それぞれの対処法について解説していきます。
無視する
愛犬にマウンティングされたときは、飼い主さんは「だめだよ」「やめて」などと反応してはいけません。
反応すると、犬は飼い主さんにかまってもらえていると勘違いしてしまう場合があります。
飼い主さんの関心を引くために繰り返すこともあるので、無視して反応しないことが大切です。
犬の身体を引き離して、無言を貫きましょう。
同居している家族にも同じように無視してもらってください。
必ず同じ対応をする
マウンティングをされた場合、必ず同じ対応をとり、犬にマウンティングをしてもかまってもらえないことを覚えさせましょう。
対応を毎回変えると、犬が混乱してしまいますので、一貫した行動をとってください。
だんだんと飼い主さんに対してマウンティングをしなくなります。
ハウスに入れる
「ハウス」を覚えている犬の場合は、ハウスにいれて落ち着かせましょう。
興奮している犬をクールダウンさせることがポイントです。
ただし、ハウスを覚えていない犬を無理やり入れると、ハウスをきらいになってしまう可能性があるので注意しましょう。
物に対してマウンティングをする場合
物に対してマウンティングをする場合の対処法は以下のとおりです。
- 対象物から離す
- 「フセ・マテ」をさせる
それぞれの対処法について解説していきます。
対象物から離す
クッションやぬいぐるみなど、特定の対象物があれば、愛犬の目に届かないところに遠ざけましょう。
特定の対象物を見るとマウンティングをする癖がついている場合に効果的です。
「フセ・マテ」をさせる
マウンティングをしそうになったら、「フセ」または「マテ」の合図を出します。
「フセ・マテ」をさせて犬を落ち着かせることにより、マウンティングを防げます。
ほかの犬に対してマウンティングをする場合
ほかの犬に対してマウンティングをする場合の対処法は以下のとおりです。
- リードを引いてやめさせる
- ほかの犬から離す
それぞれの対処法について解説していきます。
リードを引いてやめさせる
散歩中にほかの犬にマウンティングをしそうになった場合は、リードを引っ張って短く持ち、犬同士の距離をとりましょう。
そのまま反対方向に歩き、2頭の距離をなるべくあけると良いです。
ドッグランにいる場合もいったんリードをつけ、距離をあけましょう。
ほかの犬から離す
散歩中やドッグランにいるときは、対象の犬と離れることが大切です。
ほかの犬へのマウンティングがしつこいときは、その場から退散します。
マウンティングをすると、ほかの犬との触れ合いをやめさせられると愛犬に覚えさせましょう。
マウンティング中に出てくる液体は何?
オス犬がマウンティング中に出す液体を見たことのある飼い主さんもいるでしょう。
ほとんどの場合は尿もしくは精液を含む分泌液と考えられます。
まれに、包皮の中で細菌が異常繁殖することで起こる「包皮炎」という病気を発症していることがあります。
薄い緑色や黄色の液体が出てくる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
注意すべきマウンティング
マウンティングを繰り返す場合、病気のサインであることも考えられます。
陰部にかゆみや不快感があるとマウンティングを繰り返しがちです。
マウンティングと並行して、足の付け根をよく舐めていたり、排泄物に変化がみられたりする場合は、動物病院を受診したほうが良いでしょう。
まとめ
犬のマウンティングは本能的なもので正常な行動ですが、それ以外の理由で行われることも多くあります。
その場合、原因を探り適切な対処をとることが重要です。
ほかの犬や人にマウンティングをさせないことは、犬の飼い主同士のマナーなので、愛犬が外出先でも安心して過ごせるよう、しっかりしつけましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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