愛犬は飼い主さんのキスをどう思ってる?キスの愛情表現で気を付けたほうがいいこととは
人の顔や手のひらを犬が舐めるのは親密さの表現として知られていますが、逆に飼い主さんが愛犬にキスをする場合はどうなのでしょうか?本当に愛犬は喜んでいるでしょうか。また犬にキスすることによるリスクとは?普段何気なくしている愛犬へのキスについて深堀して解説していきます。
愛犬にキスしたくなる飼い主さんの心理とは?
愛情表現の一つとして普通に用いられる手段がキスという行為。果たしてこれは人間だけがするものなのでしょうか。
また人間が犬に対してキスしたくなる気持ちとは?詳しく見ていきましょう。
キスは学習能力の高い霊長類のみがする行為
親愛の情を表すキスは、動物が本来備えている本能ではなく学習行為によって行われると言えます。
同じ人間でも欧米では普通に挨拶などでも用いられますし、逆にイスラム圏のように人前ではキスをしないという文化もあります。
同じ霊長類となると、知能が高いと言われるチンパンジーが親愛の情を表すためにキスをするとされています。ですから「キスは愛情の証」ということを学習することによって習得し、相手へ愛情を伝達する行為として用いているのは知能の高い霊長類のみということになります。
どんなシチュエーションで犬にキスしたくなるのか
犬にキスしたくなる時は「かわいい」「いい子だね!」と犬に対して感情が高揚した際にしたくなるもの。
それは例えばどんな時なのでしょう。キスしたくなる理由をシチュエーション別に見ていきましょう。
帰宅したときなど
仕事やお出かけなどから帰宅し、喜ぶ愛犬に対してキスをしてあげるのはよくあることですよね。犬が舐めてくるので、そのままの勢いでキスしてしまうという方も多いかも知れませんね。
犬が寝ているときに
犬が床やソファーで寝ている時などに、そっと寄って軽くキスすることも多いでしょう。寝顔がかわいいと思うからこその何気ない行為だと思います。
ちゃんと言うことを聞けた時
しつけなどの際、きちんと指示通りにコマンドがこなせた時に「よくできた!いい子!」という意味でキスをする方も多いことでしょう。人間にとって、撫でてあげること以上のご褒美のつもりでキスすることがありますよね。
愛犬はキスをどう思っているの?
では犬はキスをされてどういうふうに感じているのでしょう。喜んでいる?嫌がっている?その感情を少し覗いてみましょう。
犬が舐めるのは親愛の証?
犬はキスこそしませんが、飼い主さんの顔や口、手などを頻繁に舐めてきます。気になる臭いがしたり、気持ちが落ち着いたり、飼い主さんの気を引きたい時など理由は様々です。
ですから決して親愛の情を表すために舐めているわけではないため、時として執拗に舐めてくる場合はやめさせる必要性もあります。
犬にとっては撫でてもらうだけで満足
キスという行為を本能として持っていない犬にとっては少し過剰な愛情表現なのかも知れません。犬同士ならお尻を嗅ぎあったりして挨拶するのですが、犬同士でキスをするということはまずありません。
また休んでいる時に邪魔をされたり、度を越したキスなどがストレスの原因にもなりかねませんし、犬にとっては撫でてもらうだけで十分満足しているのかも知れませんね。
犬とのキスにリスクがあるってホント?
犬とキスするなど濃密な接触によって、病気が移るリスクが懸念されています。それが人獣共通感染症と呼ばれるもので、知らず識らずのうちに危険に晒されているということを深く認識しておくべきでしょう。
犬の口の中は細菌でいっぱい
ご存じの方も多いかもしれませんが、犬の口の中は弱アルカリ性になっていて、人間と違って虫歯菌が存在しにくい環境になっています。その代わり歯石も付きやすいため、そこが細菌の温床になっているとも言われています。
また人間にとって有害な細菌はアルカリ環境下で繁殖しやすいので、人間の体内に取り込まれると感染する可能性が高くなってしまうのです。
そればかりではなく犬は自分のお尻も舐めるため、糞中に含まれる回虫の卵や病原体などがキスをすることによって経口感染することもあります。
回虫幼虫移行症
犬の糞から回虫の卵が人の口に入り腸内でふ化します。幼虫は体内のあちこちに迷入しますので、肝臓、脳、目等などに障害を引き起こすことがあります。
また幼児では軽度の貧血、食欲不振、微熱等が起こりますから、犬や猫に触った後や砂場で遊ばせた後などは必ず手を洗うように習慣づけましょう。
レプトスピラ症
感染した動物の尿などの接触によって引き起こされ、急激に高熱に襲われます。重症になれば黄疸の症状が出て腎障害を伴います。
最近の症例こそ少ないものの、1999年には沖縄県で集団感染しており、無視できない病気であることは確かでしょう。
皮膚糸状菌症
感染した犬の毛やフケなどから経口感染し、発疹やかゆみ、感染部位に鱗屑を伴います。症状としては軽症ですので抗真菌薬の塗布や服用で治癒します。
愛犬へのキスはなるべく避けた方が良い
犬とのスキンシップの手段として、キスはやはり避けた方が良いでしょう。犬に愛情を伝えるためにリスクを冒すことはありませんし、他にもっと良い方法があるからです。人と犬が愛情で結ばれることは素晴らしいことですが、過剰にならないほうが良いかも知れませんね。
▼以下の資料を参考に執筆しました。
※レプトスピラ症とは(国立感染症研究所)
※回虫幼虫移行症(東京都保健局)
※飼い主が気をつけたい感染症(福岡県保健環境研究所)
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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