ペキニーズのすべて!性格・特徴・抜け毛などをまとめて解説
ペキニーズはペチャっとした顔が特徴の中国原産の犬種です。愛嬌がある顔と、ずんぐりとした姿で歩く様子もなんとも可愛らしいです。 この記事では、日本でも飼育数が多く人気のあるペキニーズについて紹介していきます。
ペキニーズは古い歴史をもつ犬種
なかなか想像はできませんが、ペキニーズという犬種は、元々中国の宮廷でのみ飼育が許されていた神聖な犬として、とても大切に育てられていました。まずは、犬種の歴史を振り返ることで、犬種の成り立ち・特徴を理解していきましょう。
ペキニーズは中国原産の古い犬種
ペキニーズは中国原産の犬で、その歴史は大変古く8世紀頃には既に書物のなかに存在が記されています。ただし、犬種として存在していたのはさらに古く紀元前ではないかとも言われています。
宮廷で愛される犬種として
ペキニーズは、チベットの僧侶により飼育されていた祖先犬であるチベタンスパニエルを、仏教やラマ教の教えに出てくるような獅子犬に似るように改良をして生み出されました。
改良が加えられてペキニーズとして定着したその犬は、宮廷への献上物として皇帝に贈られました。歴代の皇帝や皇族は、獅子犬に似たペキニーズをとても気に入り大切に育て、神聖な犬として宮廷以外での飼育を一切禁止にしたと言い伝えられています。
1860年、門外不出が破られる
1860年のアヘン戦争の後、宮廷に残された5頭のペキニーズをイギリス軍人が持ち帰り、犬好きで有名だったビクトリア女王に献上したことで門外不出は破られました、と言われています。ただ、当初はイギリスでも王族や身分の高い皇族だけがペキニーズの飼育が許されていたのですが、1893年にそれが破られて初めてドッグショーに出陣を果たすと、瞬く間に人気となり世界中に広まっていきました。ペキニーズは長い歴史の中で、たっぷり人間からの愛情を受け、チヤホヤされてきた“愛され犬種”ということが分かりますね。
ペキニーズの特徴について
続いて、愛され犬種「ペキニーズ」の身体的特徴をご紹介します。
ペキニーズの毛色・被毛タイプ・抜け毛
ペキニーズの毛色は種類が多く、ホワイト・ブラック・レッド・シルバーなどを中心に、複数色が混ざったパーティーカラーなどもあります。ただし、パーティーカラーの場合には、体の一部だけでなく全体的に色が散らばっている必要があります。
ペキニーズはダブルコート犬種になるのですが、アンダーコートの量がかなり多く換毛期には小型犬でこの抜け毛の量かと驚くほどに被毛が抜けます。また、毛玉になりやすい毛質をしていますので、日頃からこまめなブラッシングを行う必要があります。
ペキニーズの体型・体重・体質
ペキニーズは小型犬に属しています。
体高:20㎝程度
体重:5㎏程度
一番の特徴は低い鼻となります。前足は小型犬にしてはガッシリとした作りで後足は細めという体型も、他の犬ではなかなか見られない特徴の一つです。
全身をボリューム感のある長い被毛に覆われ、まさに小さな獅子のような雰囲気を醸し出しています。その被毛で分かりにくいのですが、体型的には少し胴長で足は短足となります。
ペキニーズの寿命・かかりやすい病気
ペキニーズの寿命は、12〜15歳程度です。小型犬としては平均的な寿命だと言えます。
かかりやすい病気としては、短頭種特有の鼻腔狹窄(びくうきょうさく)や軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)があります。呼吸が苦しそうな様子が見られましたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。
それ以外では、通常であれば高齢犬がかかりやすい心臓疾患を、ペキニーズの場合には若いうちにかかる傾向があるとされています。初期症状が出ずに気が付きにくい場合もありますので、定期的に健康診断などを受けてチェックしておく必要があります。
ペキニーズはどんな性格?
ペキニーズは、犬でありながらまるで猫のような性格だと言われることが多々あります。
素直で穏やかな家庭犬向きな性格
マイペースな面が強いペキニーズですが、攻撃的な面や気性が激しいようなところはほとんどありません。 また、プライドが高く誰に対しても尻尾を振って媚びるようなことはしませんが、飼い主やその家族には従順で素直に接します。穏やかな性質を持ちますので、家庭犬としては最適だと言えます。
1人遊びが得意!
ペキニーズは、飼い主への依存性が少なく独立心が強い性格をしています。飼い主が側に居ても、構って欲しいというようなアピールは滅多にせず、一人で遊ぶことを好みます。
これは、決して愛想が悪いということではなく、甘える時には可愛らしい仕草で甘えてきますので、あくまでもマイペースの表れだと言えます。
ペキニーズを育てるときのポイント
それでは、最後にペキニーズの基本的な育て方やしつけの注意点などを紹介します。
しつけ|驚かさずにそーっと。
ペキニーズはマイペースで独立心が強いので、しつけは少し手を焼く可能性があります。プライドが高く、褒めて伸ばすしつけ方法もあまり向いていません。 常に一貫した毅然とした態度で、繰り返し同じことを淡々と教えていくのが効果的だとされています。
また、ペキニーズは家族以外の人や他の犬、特に子どもの高い声を苦手としている場合が多く、急に近寄って来られると普段は見せないような攻撃的な行動に出ることがあります。しつけがしっかりと入る前には、リードをしっかり持って家族以外の人には容易に近付かせないようにしましょう。
ケア|食後は顔周りのケアを
ペキニーズのケアは、とにかく毎日のブラッシングが大切です。少しでも怠ってしまうと、あっという間に毛玉になり、毛玉同士が絡まってフェルト状になってしまいます。また、顔にある無数のシワには汚れが溜まりやすく、これもこまめにキレイにしてあげないと皮膚トラブルを起こしてしまいます。特に食後は、顔を拭く習慣を付けるようにしましょう。
運動|動くのはそこまで好きじゃない?
ペキニーズは自分からあまり運動をしたがるタイプではなく、散歩も長時間行くのではなく気分転換に外の空気を吸う程度のもので構いません。ただし、それでは運動不足になってしまいますので、室内で少しでも体を動かすような遊びに誘ってみるのがおすすめです。
環境|温度管理に気を付けて
ペキニーズは暑さに大変弱く、暑い時期の散歩は体に負担がかかって呼吸困難になってしまうこともあります。 そのため、飼育は室内飼いにて特に夏場は温度調整に気を付けてあげる必要があります。冬場も決して寒さに強い訳ではありませんので、夜間など空調を切る時には防寒対策をしっかりとしてあげてください。
素直なペキニーズと楽しい時間を
マイペースで少し頑固な性格を持つペキニーズは、家族以外の人にはあまり懐かない場合もありますが、家族に対しては素直で可愛らしい犬です。しつけは根気が必要な面もありますが、ペキニーズの気持ちを尊重しながらゆっくりと進めてあげるようにしましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。