「アイヌ犬」ってご存じですか?原産国や見た目の特徴、性格などをご紹介します
みなさんは「アイヌ犬」と呼ばれる犬をご存じでしょうか?白い柴犬のような見た目をしているものの、サイズは一回りほど大きく、がっしりとした体格をしていて逞しい印象を受ける中型犬です。本記事ではアイヌ犬の原産国やサイズ感、毛色の種類、被毛の構造、性格などの基本情報をまとめてご紹介します。
「アイヌ犬」とは
アイヌ犬は、北海道で古くから存在した日本原産の犬です。アイヌ民族が狩猟の際に連れていた犬であったことからアイヌ犬と呼ばれていましたが、1973年に「北海道犬」として国の天然記念物(※)に指定されました。そのため「アイヌ犬」という名称は、現在では北海道犬の別名として用いられることがほとんどです。ちなみにアイヌ民族は犬(ここでの犬は「アイヌ犬」のことではなく、犬全体を指します)のことを「セタ」と呼んでいたと言われています。猫は「チャペ」です。
かつては狩猟犬として活躍し、ヒグマやエゾジカを追跡していた歴史があります。昔は地方ごとに繁殖が行われていたことからいくつかの系統が存在していましたが、現在では系統による違いはほぼなくなりつつあり、統一的な特徴を持つ1つの北海道犬という流れになっているようです。
北海道犬といえば某携帯会社のCMで「お父さん犬」として一躍有名になったため、知っている方も多いのではないでしょうか?
※国の天然記念物に指定されている日本犬は「秋田犬」、「紀州犬」、「甲斐犬」、「四国犬」、「柴犬」、「北海道犬」です。
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アイヌ犬(北海道犬)の見た目の特徴について
アイヌ犬(北海道犬)にはどのような外見的特徴があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
サイズ
JKCの北海道犬のページを参照すると、オスの体高は約48.5~51.5cm、メスは約45.5~48.5cm程度です。また、日本犬保存会の北海道犬のページではオスの体高が52㎝(47~55㎝の間)、メスが49㎝(44~52㎝)が標準サイズとして紹介されており、やや大きめになっています。
両団体とも体重については規定がありませんが、一般的には20kg前後のことが多いようです。中型犬に分類されますが、筋肉質で丈夫な体つきをしており、中型犬にしてはやや大きめと言えます。
毛色や被毛の構造
日本犬の毛色は基本的に2~3色ですが、北海道犬はさまざまな毛色があります。JKCで認められている毛色は「胡麻」、「虎」、「赤」、「黒」、「黒褐色」、「白」です。お父さん犬のイメージから北海道犬は白のイメージが強いですが、公益財団法人日本犬保存会によると、赤毛が最も多く、近年は白毛も多くなってきているとされています。
寒さの厳しい土地で生まれたため、被毛はダブルコートです。雪が降り、氷点下になることも珍しくない北海道で暮らしていたからか、他の日本犬と比べて被毛が分厚くなっていると言われています。
顔つきや身体の特徴
他の日本犬と同様、耳はとがった立ち耳です。目は三角形で小さめ、目尻は吊り上がっている傾向にあります。舌に「舌斑(ぜっぱん)(※)」と呼ばれる模様があることが多いです。
尻尾はくるりと巻いた尾が多いですが、差し尾の子も。胸部が発達しており、骨太で筋肉質な印象を受ける体躯をしています。
※舌斑とは・・犬の舌にできるシミのようなもので、黒色のほか青みががっていたり、紫がかっていることもあります。人間のほくろや蒙古斑のようなものなので、舌斑があるからといって何か病気であるというわけではありません。はっきりとした原因は分かっていませんが、北海道犬をはじめ、甲斐犬、ジャーマンシェパード、ゴールデンレトリバーなどに多く見られるようです。
アイヌ犬(北海道犬)はどんな性格?
アイヌ民族の猟のパートナーとして活躍していたアイヌ犬(北海道犬)。CMのイメージでは穏やかそうな印象を受けますが、実際にはどのような性格をしているのでしょうか?
勇敢で忠実
ヒグマやエゾジカ猟に従事していたため、闘争心が強く勇敢な性格をしていると言われることが多いです。しかし、日本犬保存会の北海道犬のページを見てみると、他の日本犬と比べて勇敢さにそこまで差はないと言われています。
「二君に仕えず」と言われるほど飼い主さんに忠実な性格をしているので、信頼関係を築くことができればよきパートナーになってくれるでしょう。
独立心が強い
北海道犬は的確な判断力を持ち合わせており、独立心が強い一面も持っています。自分で考え判断し動くことができる能力は猟においては頼もしいですが、家庭犬として一緒に暮らすにあたってはしっかりとしつけをしないと言うことを聞かなくなる可能性があります。
警戒心が強い
日本犬は基本的に警戒心が強く、北海道犬も例外ではありません。そのため、飼い主さんには従順ですが、見知らぬ人に対しては警戒心から吠えたり唸るなどの威嚇行動をとることもあります。子犬のころからさまざまな人や犬と触れ合う機会を設けたり、いろいろな音・匂いを聞く、嗅ぐといった経験をさせてあげましょう。
アイヌ犬は日本原産の犬!
今回はアイヌ犬(北海道犬)の原産国や見た目の特徴、性格などについてご紹介しました。
日本犬保存会のホームページの年間犬籍登録数を見てみると一目瞭然なのですが、北海道犬は他の日本犬と比べて登録頭数が少なく、希少な犬とも言われています。そのため、ペットショップでは見かけることは少ないでしょう。
どうしても北海道犬を飼いたい、という方は北海道犬のブリーディングをしているブリーダーさんを探す必要がありますが、ブリーダーサイトで検索しても掲載されている頭数は少ない傾向にあります。
また、北海道犬の保存のために繁殖しているブリーダーさんと子犬を探している人を繋ぐサイトである「北海道犬子犬ネットワーク」でも子犬の情報は少なく、掲載されてもすぐに売約済みとなっているようです。
北海道犬は日本犬らしく独立心も警戒心も強いので、よきパートナーとして一緒に暮らすためにはしっかりしつけて信頼関係を築くことができるかが重要になります。初心者向きの犬種ではありませんが、どうしても一緒に暮らしたいという場合には、北海道犬の特性をしっかりと理解し、ブリーダーサイトをこまめにチェックするようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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