コーカシアン・シェパード・ドッグとは?犬種の歴史や魅力を解説
羊などの家畜を外敵から守る犬種には色々あれど、総じて中〜大型犬が多いです。今回ご紹介するコーカシアン・シェパードもその例に漏れず、かなりの大きな体格をしています。
と言っても、日本ではほとんど馴染みがないと言ってもいい犬種ですが、海外ではショードッグとして活躍している子もいるのがコーカシアン・シェパードです。
今回は、コーカシアン・シェパードの知られざる特徴や魅力、性格などを見ていきましょう。
コーカシアン・シェパードの歴史
まずはコーカシアン・シェパードがどのようにして生まれたのか?その歴史を見ていきましょう。
番犬として家畜を守る
「コーカシアン」という名前の由来は、原産地ロシアのコーカサス地方から来ています。コーカサス地方から中央アジアにかけての広い地域は、牧畜に適した気候として知られており、古くから牧畜犬が人間と共存してきました。
コーカシアン・シェパードは15世紀頃から記録に残っていますが、セントラル・アジア・シェパードドッグなどの大型犬が紀元前から活躍していたところを見ると、もしかしたらもっと早くから活躍していたかも知れません。
一時は絶滅の危機にも
その後コーカシアン・シェパードは、ロシア全土に活動範囲を広げることになりました。しかし人間の文明が発達し、やがてヨーロッパとの交流が深まると、はるか東のほうから同じような大型犬種が流入してきました。それがセントバーナードです。
やがてセントバーナードと交配されるようになったコーカシアン・シェパードは、純血種がどんどん少なくなり、絶滅危惧を案じた人々が保護に乗り出しました。今では原産地のロシアだけでなく海外へも進出し、人気の高い犬種となっています。
コーカシアン・シェパードの性格
見た目はおとなしそうに思えるコーカシアン・シェパードですが、どのような性格をしているのでしょうか。飼いやすさも含めてご紹介します。
飼いやすい性格?
防衛本能が強く、攻撃的な性格も持ち合わせていますから、初心者や知識の少ない人が飼うにはハードルが高いでしょう。ショードッグとして飼育されているものの、家庭犬としての飼育例が少ないというのも特徴で、しつけが難しいことが窺えます。
番犬としての意思が強い
知らない相手に対しては警戒心を抱き、敵と見るや勇敢に戦う番犬ですから、その性格は攻撃的と表現しても良いでしょう。また番犬として意思が強いため、独立心も旺盛です。
反面、信頼関係で結ばれた飼い主に対しては、温厚で忠実な態度を見せるようになります。
コーカシアン・シェパードの体重や見た目の特徴
次に、コーカシアン・シェパードの身体的特徴を解説したいと思います。
最も大きな特徴といえばその巨体ですが、番犬ならではの特徴も併せ持っています。
被毛の特徴
毛色は明るいグレーを基調として、錆色(ラスティ)やディッシュブラウンなど様々な色目があり、ブリンドル(斑模様)となる個体も珍しくはありません。また、バンド状に色が首回りに巻き付いている場合もあり、まるでライオンのように見えるところも不思議です。
被毛自体はロングコートが多く、その分厚い皮膚と共に寒冷地で耐えられるようになっているのが特徴です。またオオカミや熊などの外敵から噛みつかれてもダメージが少なくなるように、皮膚が分厚くたるんでいるのも大きな特徴です。
体重や体高は?
成犬の大きさですが、オスの体高は約75センチ、メスの体高は約70センチとなっています。
次に体重ですが、オスは50キロ、メスは約45キロとなっていて、かなりの大型犬だということがわかりますね。
体躯だけでなく首回りや足回りなども太く、かなり筋肉質で、力強く踏ん張ったそのシルエットはその体の丈夫さを物語っています。
4年ほど前にニュースで話題になりましたが、イングランドで保護されたコーカシアン・シェパードの子犬の体重はなんと63.5キロ!成犬になった場合には100キロを超すのでは?と言われていました。差はありますが、人間以上の体重を持つ個体も多いそうです。
コーカシアン・シェパードは日本では希少な犬種
コーカシアン・シェパードの日本での登録件数は、おそらくゼロに等しいのではないでしょうか。日本では希少な犬種だと言ってよいでしょう。
ただ見られる可能性がゼロではありません。年に何度か大規模なドッグショーが開催されますので、もしかしたら出場しないとも限りません。ぜひチャンスがあればお目にかかりたいところです。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!