ボーダーコリーのカラーは35種類!歴史やお手入れ・病気も解説
白と黒の毛色のイメージが強いボーダーコリーですが、実はボーダーコリーは35種類と大変多くの毛色が存在します。
今回はボーダーコリーのカラーについて解説します。
必要なお手入れやかかりやすい病気についても紹介しているため、気になる方はぜひ見てみてくださいね。
ボーダーコリーのカラーは35種類
ボーダーコリーには35種類もの毛色が存在します。
色の組み合わせや割合でも名前が変わるため違いがわからないカラーも正直存在しますが、それでも35種類という数字に驚かれる方も多いのではないでしょうか。
今回は35種類のカラーのなかでも人気色の5つについて紹介しています。
- ブラック&ホワイト
- レッド&ホワイト
- ブルー&ホワイト
- トライカラー
- ブルーマール
順番に見ていきましょう。
ブラック&ホワイト
ブラック&ホワイトはブラックをメインカラーとし、顔や首、お腹、足などにホワイトが入っている毛色です。
大変ポピュラーなカラーなので、ボーダーコリーといえばブラック&ホワイトを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
入っている色の多さからカラーの名前が作られるため、ブラックが全体の5割以上あればブラック&ホワイトと呼ばれます。
逆にホワイトが全体の5割以上であれば、ホワイト&ブラックとなります。
日本でもよく見るカラーであるため、ボーダーコリーを見かけたらどちらの色が多いか観察してみるのも面白いでしょう。
レッド&ホワイト
レッドはややオレンジがかった茶色を指し、赤というよりはベージュに近いかもしれません。
トイプードルやチワワなどでは一般的な色ではあるものの、ボーダーコリーでは珍しいといえるでしょう。
上記のブラック&ホワイトよりもホワイトの入り方が薄くなるため、優しい印象を与えます。
ブルー&ホワイト
ブルーはやや青みがかった黒色を指しています。
ブラック&ホワイトよりもスタイリッシュな印象を与えますが、ブルー&ホワイトの毛を持つボーダーコリーは目鼻や肉球の色素が薄いぶん、優しい印象も与えられます。
トライカラー
トライカラーとは黒、白、タンの3種類からなる毛色です。
タンは茶色のひとつで、黄褐色や赤褐色、深みのある黄をイメージしてもらえばわかりやすいのではないでしょうか。
トライカラーはブラック&ホワイトをベースに、頬や眉、耳の内側や足などに部分的に入っています。
洗練された印象のボーダーコリーですが、タンが入ることによって親近感が湧くような可愛らしい印象へ変わるのが面白いですね。
ちなみにタンはホワイト&ブラックだけでなく、レッドやブルーにも混ざったものがあります。
その場合レッド&ホワイト&タン、ブルー&ホワイト&タンと呼び名が変わるため色々なボーダーコリーを見て毛色を当ててみるのも楽しいですね。
ブルーマール
ブルーマールは青みがかったブルーにまだら模様が入っている毛色です。
マール遺伝子の作用により大理石のような独特な模様となります。
黒とマール部分のコントラストが美しく人気の毛色です。
マール遺伝子を持つ毛色は繁殖に向いていないとされ、特にマール同士の掛け合わせは禁忌とされています。
毛色の差で性格は違うのか?
ボーダーコリーには35種類もの毛色が存在するため、毛の傾向によって性格に差があるのではと考える方もいるでしょう。
しかし、ボーダーコリーの場合、毛色の差で性格は変わりません。
毛色よりも以下の2点で性格に差が出ます。
- 性別
- 毛の長さ
順番に見ていきましょう。
性別
犬全体にいえることですが、ボーダーコリーも性別により多少性格が変わってきます。
- オス:やんちゃで甘えん坊・縄張り意識が強い
- メス:落ち着いていて温厚・マイペースな場合も
犬好きであれば性別なんて気にしない方もいますし、飼い主さんの性格的にこちらの性別が合っているという方もいます。
もちろん個体差があり、飼う環境や一緒に暮らす人のなかで徐々に性格が変わってくる場合もあります。
しかし、性別により性格差があることは知っておくといいポイントでしょう。
毛の長さ
ボーダーコリーは毛の長さにより多少性格も異なります。
- ロングコート:人懐こくしつけが入りやすい
- スムースコート:運動能力が高い・やや神経質
スムースコートのボーダーコリーは運動能力が高くアジリティなどの競技にも向いています。
しかし、ロングコートのボーダーコリーと比較してやや神経質な部分があるといわれています。
神経質な性格を少しずつ和らげ暮らしやすくするために、飼い主さんが愛情をたくさん注ぎ信頼関係を構築していくことが必要です。
ボーダーコリーの歴史
さまざまなカラーを持つボーダーコリーですが、愛犬についてたくさん知ることで一緒に暮らすのがもっと楽しくなっていくでしょう。
- 歴史
- 名前の由来
知っている方は今一度確認し、知らない方はぜひ一度目をとおしてみてください。
歴史
ボーダーコリーの祖先は8世紀後半から11世紀にかけてスカンジナビア半島からイギリスに持ち込まれたトナカイ用の牧羊犬であるといわれています。
元からいた牧羊犬と交配し、現在の形に近くなりました。
8世紀後半頃から11世紀と昔から存在してたボーダーコリーですが、犬種として確立されたのは、20世紀に入ってからのことです。
原産国のイギリスで犬種と認められたのは1976年、日本での公認は1987年ですので、遅い印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
犬種登録が遅くなった原因は、ボーダーコリーが見た目よりも能力に重点をおかれていたためです。
今でこそ容姿のスタンダードが定められたボーダーコリーですが、以前は牧羊犬としていかに作業能力が高いかだけを追求されていました。
容姿にこだわらず作業能力の高さがボーダーコリーのスタンダードであった背景が、さまざまな毛色を持つ犬種となった理由ではないでしょうか。
名前の由来
ボーダーコリーの名前の由来は、ボーダー(国境)とコリー(役立つ)から成っていると推測されています。
ボーダーはイングランドとスコットランド、イングランドとウェールズの国境地域が原産国であることを示しているのでしょう。
またコリーはインドヨーロッパ語属のケルト語派であるゲール語で、役立つとの意味を持ちます。
牧羊犬として活躍していたコリーにぴったりの名称といえるのではないでしょうか。
ボーダーコリーに必要なお手入れ
ボーダーコリーに必要なお手入れは、以下の5つです。
- 目のお手入れ
- 歯磨き
- 爪切り
- 耳掃除
- ブラッシング
ボーダーコリーに限らずすべての犬にいえることですが、毎日のお手入れは飼い主さんとの絆を強め、信頼関係を作り出します。
ボーダーコリーがかかりやすい病気については最後に解説しますが、特に目の病気にかかりやすいため注意が必要です。
また豊富な毛をもつ犬種のため、ブラッシングを重視したお手入れもしていきましょう。
目のお手入れ
後述しますが、ボーダーコリーは目の病気にかかることが多いため、目のお手入れや健康観察はとても重要です。
目やにが出ていないか、充血はしていないかなどしっかりと観察しましょう。
目のお手入れの際に見つめることで、飼い主さんとアイコンタクトした状態になるため愛情が伝わりやすく、ボーダーコリーを大切に思う気持ちが愛犬に伝わります。
歯磨き
歯磨きも犬にとってとても大切なケアです。
歯磨きをしなければ歯にフードの汚れが溜まり、多くのばい菌を含んだ歯石となり、歯肉炎や歯周病を起こしてしまいます。
子犬の頃から歯ブラシに慣らしてお手入れをしていくことが重要ですが、無理矢理するとストレスの元となりかねません。
歯ブラシのほかに歯磨きトイや歯の汚れを落とす効果のあるオヤツを使用しながら、飼い主さんにも愛犬にも負担にならない程度におこなっていきましょう。
歯についた汚れは3日程度で歯石へと変化してしまうといわれるため、2~3日に1度は歯のケアが行えるといいですね。
また上の犬歯に特に汚れが溜まりやすいため、難しければ犬歯だけでも重点的に磨くことを意識してください。
爪切り
ボーダーコリーは運動量を多く必要とするため、動くなかで爪は削られていきますが、爪切りは必ずおこないましょう。
特に人間の親指にあたる狼爪は地面につかないため、伸びたまま放っておくと爪が巻いてしまい、肉球に刺さってしまうこともあります。
爪切りの種類もたくさんありますので、扱いやすいものから挑戦し、短時間で素早く切れる使いやすい爪切りを見つけましょう。
耳掃除
ボーダーコリーは成長と共に立ち耳にも垂れ耳にもなる面白い犬種です。
特に垂れ耳のボーダーコリーの場合、耳の中が蒸れやすく雑菌が繁殖してしまうため耳掃除は欠かせません。
毎日のスキンシップのなかで耳の中をのぞき、臭いや汚れがないか確認しましょう。
必要であればイヤークリーナーやイヤーローションなどをコットンにつけ、週に1回程度耳の中を拭いてあげると予防にもつながります。
大量の耳垢や黒い耳垢は炎症を起こしている可能性があるため、異常を感じたら早めに動物病院に相談してください。
ブラッシング
ボーダーコリーは抜け毛が多い犬種のため、ブラッシングが必要です。
スリッカーブラシで余分な毛を根元から取り除いた後、コームで毛の表面の余分な毛を細かく取ってあげましょう。
ブラッシングを行うことで毛玉の予防や皮膚の血行促進につながります。
丁寧にブラッシングを行い撫でるなかで、皮膚の炎症やできものなどの異常にも気付きやすいメリットもあります。
散歩後など時間を決めて毎日必ずおこないましょう。
ボーダーコリーがかかりやすい病気
ボーダーコリーがかかりやすい病気には、以下の6つがあります。
- 白内障
- 原発性水晶体脱臼
- 股関節形成不全
- コリー眼異常
- セロイドリポフスチン症
- 皮膚炎
最後に簡単ではありますが、上記の病気について紹介します。
白内障
白内障とは目の中にあってレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまう病気です。
原因は加齢や糖尿病などの疾患、遺伝などが考えられ、症状は目のかすみやぼやけ、まぶしさ、視力の低下などが挙げられます。
原発性水晶体脱臼
原発性水晶体脱臼とは、水晶体が正常な位置から外れてしまう病気です。
原因は水晶体を固定する毛様小帯が遺伝的に弱いことで、症状としては目の中で一番外側にある角膜の炎症や結膜炎、角膜の透明度が落ちることが挙げられます。
股関節形成不全
股関節形成不全とは、股関節が発育の段階で異常を起こす病気です。
原因は遺伝的な要因だけでなく食生活の偏りや肥満、成長期の激しい運動なども挙げられます。
股関節形成不全になると腰を振って歩くモンローウォークを始め不自然な歩き方や歩くこと自体を嫌がる、横座りなどの症状が見られます。
コリー眼異常
コリー眼異常は目の組織に異常が起こる病気です。
ボーダーコリーを始めコリーと名前のつく犬種にみられ、軽度であれば特に症状はありません。
しかし重症化した場合視神経に障害が出たり、網膜剥離や眼底での出血により視力に障害が起きたりする場合があるため注意が必要です。
セロイドリポフスチン症
セロイドリポフスチン症は、脳などの神経や網膜、全身の細胞にセロイドリポフスチンとよばれる色素が蓄積して起こる病気です。
原因は遺伝で、運動障害や知的障害、視力障害などが現われます。
死に至ることもあり、恐ろしい病気といえるでしょう。
皮膚炎
皮膚炎は皮膚に炎症が起こった状態で、ボーダーコリーは毛が多く蒸れやすいため特に注意が必要です。
前述したとおり毎日のブラッシングで毛の量を減らして風通しをよくし、皮膚炎を起こしている箇所がないか確認しましょう。
まとめ
今回はボーダーコリーのカラーや歴史、必要なお手入れやかかりやすい病気について紹介しました。
豊富な毛色をもつボーダーコリーですが、毛色で性格が変わることはありません。
飼いたい性格がある場合、性別や毛の長さによる性格を参考にするとよいでしょう。
ボーダーコリーは多くの運動量が必要で、お手入れもかかせない犬種です。
愛らしいボーダーコリーと楽しく暮らすため、この記事を参考にお手入れ方法やかかりやすい病気を知っておきましょう。
この記事のライター
satoko
わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!
ボーダーコリーに関する記事
飼い方/育て方
ボーダーコリーの抜け毛はおうちケアとトリミングサロンを使って解決!抜け毛対策もご紹介
美しいふさふさのロングコートが印象的なボーダーコリーですが、抜け毛事情をご存知でしょうか。 ...
2022年11月26日
飼い方/育て方
ボーダーコリーの成犬について調べてみた!体重や大きさ、適切な食事・運動量は?
ドッグスポーツの世界では、長い間第一線で活躍する姿を見せている犬種、ボーダーコリー。もともと、...
2024年2月22日
犬の生態/気持ち
ボーダーコリーの可愛いポイント5選!愛しさを掻き立てる瞬間5選
ボーダーコリーは、とても頭がよく運動神経が抜群な犬で、世界一賢い犬とも言われている犬種です。そ...
2022年9月9日
犬の生態/気持ち
ボーダーコリーのカラーは35種類!歴史やお手入れ・病気も解説
白と黒の毛色のイメージが強いボーダーコリーですが、実はボーダーコリーは35種類と大変多くの毛色...
2022年4月26日