【犬種図鑑】イングリッシュコッカースパニエルについて|子犬の成長スピードや育て方のコツについて
美しい飾り毛が特徴的で、優雅なイメージが強いイングリッシュコッカースパニエル。おっとりとしている雰囲気からおとなしい性格だと思われがちですが、実は猟犬の気質を持っていて、とても活発で遊び好きな性格です。そのため、一緒にアウトドアを愛犬と楽しみたいという方には、最高のパートナーになってくれるかもしれません!今回は、そんなイングリッシュコッカースパニエルの子犬の成長過程から家族に迎えてからの子犬期のお世話の仕方について紹介します。
目次
イングリッシュコッカースパニエルの子犬が生まれるまで
ここでは、イングリッシュコッカースパニエルの子犬がどのように生まれてくるかについて紹介していきます。
妊娠期間
犬の妊娠期間は、約63日つまり2ヵ月程度で生まれます。妊娠期間は、小型犬でも大型犬でも変わることはありません。早産になるケースは稀で、ほとんどが予定日通りに出産するようです。
交配してから22〜30日程度で超音波検査を受けると、妊娠が確認できます。妊娠確定から約1ヵ月で出産になるので、約10ヵ月ある人の妊娠期間と比べると本当にあっという間ですね。
生まれる頭数
イングリッシュコッカースパニエルが1度の出産で産む頭数は個体差がありますが、6〜8頭と言われています。お腹のなかに胎児が何頭いるのかは、交配後22〜30日程度で確認できます。
イングリッシュコッカースパニエルの成長スピードについて
ここでは、イングリッシュコッカースパニエルの子犬がどのように成長していくかについて説明していきます。
体重の変化
中型犬の子犬は、出生時体重が200〜300g程度とされています。
それから生後30日程度で出生時体重の4倍になり、生後3ヵ月頃には5〜6kg程度まで成長します。生後6ヵ月で9〜11kg程度になり、約10〜12ヵ月齢程度で成長期が終了して成犬時の体重に到達します。
イングリッシュコッカースパニエルの子犬を家族に迎えたら…
ここでは、イングリッシュコッカースパニエルの子犬を家族に迎えてからのお世話の仕方について紹介します。
ごはんの与え方
子犬を迎えてすぐの時期は、まだ環境や飼い主に慣れていない状態なので、未発達な消化器官にもストレスがかかっています。そのため、ペットショップやブリーダーからそれまで与えていたフードの種類や量、回数、時間帯などを聞いてその通りに与えましょう。
また、成長期の子犬は多くのエネルギーと栄養素を必要としますが、胃が小さく消化器官が完成していないので、1度の多くのごはんを消化することができません。生後6ヵ月頃までは、1日分の給与量を3回に分けて与えるのが好ましいでしょう。 しかし、日中自宅にいないなど回数を分けて与えることが難しい場合には、ぬるま湯でしっかりフードをふやかすなど消化しやすいように工夫をしましょう。
子犬とのはじめての体験のタイミング
新しい家族が増えたら、すぐにでも一緒に様々な体験をしたいとワクワクしますが、子犬はとてもデリケートな生き物です。免疫力もないため、散歩やシャンプーを始めるタイミングには注意を払う必要があります。
しつけを始めるタイミング
子犬のしつけはなるべく早く始めた方がいいため、迎えたその日から行いましょう。ただ、生後3ヵ月未満の子犬を迎えたのであれば、しつけよりも愛情をたっぷり注いで精神的に安定させてあげることを優先させてあげましょう。
散歩を始めるタイミング
子犬を散歩に連れて行けるようになるのは、ワクチン接種の2回目を終えて1〜2週間後からになります。免疫力のない子犬が、様々な感染症への抗体を完成させるためには2回目のワクチンが必要になると言われているからです。
しかし、接種したワクチンの種類やかかりつけの獣医師の判断によっては、3回目を終えてからという場合もあるので、指示に従うようにしましょう。
初めてのお散歩はどうしたらいい?
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、飼い主にたいして愛情深く社交的な性格を持っていますが、元々は鳥猟犬として育種されたため、好奇心が強く、動くものに注意を向ける傾向があります。
愛犬や他の人や犬が安全にお散歩を楽しめるように、首輪やハーネスの着用、リードは短めに持ちしっかり握ってお散歩することが大切です。
ただ、首輪やハーネスを着用するのが苦手な子もいるので、お散歩デビュー前に試着をして少しずつ慣れさせることをおすすめします。
また、成長期に過度な運動をすることは好ましくないとされています。過度な運動は発育に悪影響を与えることがあるため、ハードな運動や長時間のお散歩は、1歳を過ぎてからにするのが良いでしょう。
シャンプーを始めるタイミング
シャンプーを始めるタイミングは、ワクチン接種前後の1週間を避ければいつからでも可能です。しかし、迎えてすぐの時期は、飼い主や環境に慣れていないため、必要以上に水に対して恐怖心を抱いてしまう可能性があります。
体調を崩したり、シャンプーが嫌いになってしまうこともあるため、新しい環境に慣れて落ち着くまでは、蒸しタオルで拭いてあげるなど、シャンプーは控えることをおすすめします。
ブラッシングはどうしたらいい?
イングリッシュコッカースパニエルは、被毛がフサフサで毛玉ができやすいので、子犬の頃からブラッシングを習慣づけることが必要です。被毛がまとまりやすいように、頻繁にブラッシングをしてあげましょう。
気を付けたい病気
イングリッシュコッカースパニエルは、遺伝性疾患がとても多い犬種として知られています。緑内障や白内障、チェリーアイなどの眼病や皮膚炎、心臓病など様々な遺伝性疾患にかかりやすいため、若い頃から健康診断を定期的に行いましょう。
激怒症候群
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、呼ばれる先天性激怒症候群(レイジシンドローム)が起きやすい傾向があるとされています。
激怒症候群とは犬が突然、攻撃的な行動を繰り返す先天的疾患です。原因は解明されておらず根本的な治療法もありませんが、投薬によって攻撃的な行動を抑えられることがあるため、急に愛犬が理由もなく噛み付いたり物を壊すなどの攻撃性が見られたら、動物病院を受診してください。
【豆知識】イングリッシュ・コッカー・スパニエルの歴史
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、スペイン系のスパニエル犬種(鳥猟犬)で、14世紀頃イギリスに持ち込まれ、ランド・スパニエルという犬種が祖先であると言われています。後にイングリッシュ・コッカー・スパニエルはアメリカに渡り、そこで小さく愛玩犬向きの派生種が誕生します。それが今のアメリカンコッカースパニエルです。
どちらも「コッカー・スパニエル」でしたが、見た目やサイズの違いからどちらがオリジナルであるかについてイギリスとアメリカの愛好家たちで論争がおきます。
2つの国の愛犬家たちの意見には折り合いがつかないまま、1935年、アメリカンケネルクラブでは、イングリッシュ・コッカーとアメリカン・コッカーは別犬種であると決定し、1968年にはついに原産国であるイギリスでも、アメリカン・コッカースパニエルという別犬種として認められました。
イングリッシュコッカースパニエルの子犬と楽しい毎日を送りましょう!
イングリッシュコッカースパニエルは、遊び好きで活発な性格です。賢い性格でもあるため、しつけも入りやすいですが、家族で一貫性を持った接し方をしないと賢さゆえに言うことを聞かなくなることもあります。子犬を迎える前から、家族でしつけ方や接し方を統一するよう話し合って、主従関係がしっかりと築けるように準備しましょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!