子犬はいつからシャンプーしていいの?開始時期や自宅で洗う際の注意点を解説します
犬を迎えたらトイレトレーニングや「待て」「おすわり」などのコマンド、お散歩などやるべきことが盛りだくさんですよね。またブラッシングなどの日々のお手入れも欠かせません。その中の1つにシャンプーがありますが、一体いつからシャンプーをしていいのか分からないという飼い主さんも少なくないはず。そこで今回は、子犬はいつからシャンプーをしていいのか、やり方や注意点もあわせて解説します。
目次
子犬もシャンプーしたほうがいいの?
そもそも犬にシャンプーをする必要があるの?と思っている飼い主さんもいるかもしれません。しかし、どんな犬種であってもシャンプーは原則必要です。
シャンプーをした方がいい理由①|ニオイや皮膚病を予防するため
わたしたち人間は基本的には毎日お風呂に入りますよね。数日入らないだけであちこちが痒くなりますし、ニオイも気になります。また、衛生的にもよくありません。
犬も同じ理由でシャンプーをしてあげる必要があります。犬の被毛はほこりをはじめ、花粉や葉っぱなどさまざまな汚れを巻き込みやすいです。お散歩中に土の上を走りまわったり、芝生の上でゴロゴロするのが好きな子であればより汚れます。室内で過ごしていたとしてもハウスダストやダニなどが潜んでいることもあり、一見清潔に見えても細かい汚れが付着しているのです。
被毛が長い子の場合、排泄物でお尻周りが汚れやすかったり、ご飯や水を飲むたびに顔周りが汚れてしまいます。これらの汚れをそのままにしておくと、雑菌が繁殖してニオイの元になってしまうほか、痒みやフケなどの皮膚トラブルを招いてしまう恐れがあります。そのため、定期的にシャンプーをして、身体を清潔に保ってあげることが重要なのです。
シャンプーをした方がいい理由②|体臭が強い
犬のニオイの原因はさまざまで個体差もありますが、ニオイが強い犬種もいます。パグやブルドッグなどの顔にしわがある子は汚れが溜まりやすく、皮膚が重なっていて蒸れやすいので、細菌が繁殖してニオイを発することも少なくありません。
また、被毛が長い犬種はごみを巻き込みやすいほか、通気性が悪く蒸れやすいのでニオイが強くなる傾向にあります。
どんなにニオイが強くても、毎日シャンプーをするのは犬に大きな負担がかかってしまうため避けましょう。日々のお手入れとあわせて定期的に洗ってあげることで、体臭が強いと言われている子たちのニオイを抑えることができます。
シャンプーをした方がいい理由③|皮膚病を患っているため
皮脂の分泌が過剰になると被毛全体がべたついて、ニオイが強くなります。脂漏症という皮膚病を患っている子の場合、皮膚がベタベタしたりフケが出てしまうので、定期的にシャンプーをして皮膚を清潔に保つよう獣医師から指示されるケースもあります。
シャンプーをしないことで起こりうるトラブル
シャンプーをしてあげないと、皮膚や被毛に溜まった皮脂や汚れが原因で皮膚病を引き起こしてしまう可能性が高いです。不衛生な状態が続くことで細菌が繁殖し、ニオイの元となるだけでなく、ノミやダニが増殖する可能性もあります。
また、ハウスダストや花粉に対してアレルギーを持っている子の場合、アレルゲンが皮膚に残ったままになってしまうので、症状が悪化してしまうことも考えられます。
犬を洗わないことは、飼い主さんにも悪影響を及ぼすこともあります。たとえば犬に寄生したマダニによって感染症にかかってしまったり、犬の被毛に付着した花粉でアレルギー症状が悪化してしまうことも考えられます。マダニによる人畜共通感染症の中には死亡例もあるため、定期的なシャンプーや駆除薬の投与でできる限り予防することが大切です。
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子犬がシャンプーデビューできるのはいつ?
子犬のシャンプーは、ワクチン接種が完了して免疫がついてから可能になります。ワクチンを接種して2週間以上経ってから愛犬の体調や様子を考慮して行いましょう。
ワクチン接種が完了していない子犬は免疫力が低く、体温調整も苦手なので、身体を洗うことで風邪を引いてしまったり病気になってしまう恐れがあります。免疫がつくまでは汚れが気になるところを濡れタオルなどで拭いてあげる程度で十分です。拭いても汚れが落ちないという場合は、部分的に洗い流してあげましょう。
はじめてのシャンプーを自分で行うのは不安という場合、トリミングサロンでシャンプーしてもらうことももちろん可能です。しかし、さまざまな犬が来るトリミングサロンでは免疫を獲得していない段階で行くと感染症の危険があるので、ちゃんと免疫がつくまで待ちましょう。トリミングサロン側も、子犬の受け入れに条件を設けていることも多いので、事前に確認しておくと安心です。
子犬を水に慣らすためにやっておくこと
犬にも個体差があるので、水を嫌がる子もいれば、いきなりシャンプーしても全然怖がらないという子もいます。しかし、子犬の頃に1度嫌な思いをしてしまうと、次からシャンプーすることが難しくなってしまうケースも少なくありません。そのため、まずは水やシャワーの音に慣れさせるところからはじめましょう。
シャンプーデビューの前にやっておくこと①|水に慣れさせる
シャンプーは怖くないと認識してもらうために、まずは水や身体が濡れることに慣れさせていきましょう。身体を濡らす前にお風呂場で遊ばせるのもおすすめです。滑って転ばないように注意してあげてください。
身体を濡らすときは、まず足元からゆっくりとお湯をかけるようにします。嫌がってしまうのであれば、すぐに中断してください。何度か繰り返すことで水に対する恐怖心がなくなっていくはずです。
シャンプーデビューの前にやっておくこと②|シャワーの音に慣れさせる
シャワーの音が苦手な子は多いです。少しずつ水を出してシャワーの音に慣れさせましょう。実際に身体にかける場合は、シャワーヘッドを身体にくっつけて動かすと嫌がりにくいです。どうしても嫌がってしまうという場合、愛犬が入れるサイズのバスタブにお湯をはって洗ってあげればいいので、シャワーを使うのをやめます。
新しいものを受け入れやすいこの時期に、あわせてドライヤーの音にも慣れる練習をしておきましょう。飼い主さんが使うときに近くに呼んだり、スイッチを入れない状態で子犬に見せたりして、怖くないものだと認識してもらいます。
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自宅でシャンプーする際の事前準備
シャンプーは成犬であっても体力を消耗するものなので、子犬の場合、体調をよく見ながら進めましょう。時間をかけずになるべく早く終わらせてあげられるといいですね。スムーズにシャンプーできるよう、事前に準備しておくべきものは以下の通りです。
- いつも使っているブラシ
- 犬用のシャンプー・リンス
- 愛犬にあったサイズのバスタブ(小型犬の場合)
- 吸水性の高いタオル
- ドライヤー
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自宅でシャンプーする際のやり方
準備が整ったら実際にシャンプーをしてみましょう。ここでは自宅でシャンプーするときのやり方を順番に説明していくので、参考にしてみてください。
1.ブラッシングで汚れを落とそう
シャンプーの泡立ちをよくしたり、スムーズに洗えるようにするために、まずはブラッシングをします。ブラシはいつも使っているもので大丈夫です。あらかじめブラッシングすることである程度汚れを落とすことができるほか、毛のもつれを取り除くことができます。毛玉になっているところがないか念入りに確認しましょう。よく動かす部分や擦れやすい部分は毛玉になりやすいので注意してください。洗うときに毛が絡まって痛い思いをさせないようにするためにも、このひと手間が大切です。
また、事前にブラッシングをしておくことで、シャンプー後の掃除も楽になります。
2.身体を濡らそう
触ってみてぬるいと感じるくらいの温度に設定しましょう。その子によって適温は変わりますが、目安は35~38度くらいです。子犬は体温が上がりやすいのでのぼせないように注意してください。
身体を濡らすときは上からいきなりシャワーをかけるのではなく、足元からゆっくりかけてあげてください。顔から遠い場所から順番にかけてあげるのがポイントです。シャワーヘッドを身体にくっつけるようにしてかけてあげると、大きな音がしにくいので恐怖心が和らぎます。汚れを落としやすくするためにもシャンプーを泡立ちやすくするためにも地肌までしっかり濡らしてください。
顔周りが濡れるのを嫌がる子は多いので、シャワーで直接水をかけるのではなく、手ですくって少しずつかけてあげるようにしましょう。
3.よく泡立ててシャンプーしよう
シャンプーは身体の上で泡立てるのではなく、事前に泡立てておき、泡で洗うようにします。耳や目、鼻などに入らないように注意して下さい。足や背中からはじめ、嫌がりやすい顔周りは最後にしましょう。犬の皮膚はとても薄いので、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗います。
4.しっかり洗い流す
泡を洗い流すときは顔から流していきましょう。小型犬は特に顔の面積が小さいので、シャワーをそのままかけると目や鼻、耳に入ってしまう可能性が高いです。手でお湯をすくって少しずつ流してあげてください。シャンプーやリンスが残ってしまうと皮膚病などのトラブルの原因になるので、しっかり洗い流しましょう。
5.リンスをする
リンスは絶対ではありませんが、愛犬の被毛の状態にあわせて使用しましょう。被毛がふわふわになったり、被毛に艶が出たり、摩擦を軽減する効果があります。つけすぎるとべたついてしまうこともあるので注意してください。
お湯に溶かして身体全体にかけます。すすぎ残しがないように、しっかり洗い流しましょう。
6.素早く乾かす
いつまでも濡れたままだと風邪をひいてしまうので、洗い終わったら手早く乾かします。いくらドライヤーを使うとはいえ、あまりにも濡れていると時間がかかるので、吸水性の高いタオルでよく拭き取っておくとドライヤーの時間が短くなりおすすめです。足の付け根や耳の根元などは乾かしにくいため、水分を念入りに風をあてるようにします。
同じ場所にあてすぎないように素早く動かしながら30㎝以上離して乾かすようにしてください。生乾きのままだとニオイのもとになったり、毛玉ができてしまいます。
ペット用ドライルームのすすめ
ドライヤーはどうしても大きな音がするので苦手な子は多いです。静音性の高いドライヤーもありますが、出る音は0ではありません。少しずつ慣れさせていく方法はありますが、それでも嫌がってしまうという場合、ペット用のドライルームを活用してみるのもおすすめです。クレートのような大きさで、入っていてもらうだけで全身しっかり乾かしてくれるので、大きな音が苦手な子でも安心です。乾かす際に被毛が飛び散ることもないので、掃除も楽になります。少々お高めですが、選択肢の1つとして頭の片隅に入れておいてください。
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子犬をシャンプーをする際の注意点
愛犬をシャンプーする際にはいくつか注意点があります。これは子犬に限らず、全年齢で共通です。1つずつ見ていきましょう。
犬用のシャンプーを使おう
ニオイが気になる、泡立ちがよくないなどの理由があっても、人間用のシャンプーを使うのはやめましょう。人間用のものは犬にとって洗浄力が高すぎるので皮膚トラブルを起こしてしまう可能性があります。薬用のもの、オーガニックのもの、低刺激のものなど、さまざまな種類のシャンプーが売っているので、愛犬にあったタイプを選んでくださいね。
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頻繁にシャンプーするのはやめよう
獣医師から指示がある場合を除いて、毎日や1週間に1回など、頻繁にシャンプーをするのはやめましょう。洗いすぎることで必要な皮脂まで洗い流してしまったり、皮膚の乾燥を招きます。基本的には1ヶ月に1~2回程度で十分です。
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シャワーの温度に気をつけて
浴室は熱気がこもりやすいので、温度の高いお湯を使ってしまうと温度が上がりすぎて子犬がのぼせてしまう恐れがあります。犬は体温を調整するための汗腺が少なく、特に子犬は体温調整が得意ではないので温度管理に気をつけましょう。
とはいえ温度が低すぎると体温が奪われて風邪を引いてしまうこともあります。愛犬の様子を見ながら適温を見つけてください。
子犬のシャンプーは適切な時期にはじめよう
シャンプーが嫌いな子は多いので、「プロにお任せしたい・・」と思っている飼い主さんも少なくないと思います。しかし、頻繁にトリミングサロンに行くのはお金がかかるのでなかなか厳しいですよね。愛犬も、できれば落ち着くお家で飼い主さんに洗ってもらう方が安心すると思っているかもしれません。
好奇心旺盛なうちにシャワーの音や水に慣れさせることで、シャンプーを嫌がりにくくなるので、愛犬の様子を見ながら少しずつ練習していきましょう。シャンプーの時間は愛犬とのコミュニケーションの時間にもなるため、ぜひ上手な洗い方をマスターしてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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