人間が笑顔になるのは、楽しいときや嬉しいときなど、プラスの感情の時ですよね。犬の場合、耳や尻尾に感情が表れやすいですが、目を細めていたり口角が上がっていて笑っているような表情をしている時は、どんな気持ちなのでしょうか。

犬が口角をあげてニッコリと笑っているような表情をしているときは、心からリラックスしているサインだと言われています。

また、口が少し開いて下の歯が見えている状態も、穏やかな気持ちになっていることから表情が緩んでいると考えられているようです。

犬同士の場合、基本的に直視することは挑発や威嚇の意味があると言われています。そのため、初対面の人やお散歩中の他の犬に対して視線を逸らしたり目を細めて笑っているような表情を見せるときは「敵意はないよ！」と相手に意思表示をしているのです。

一方で、犬が飼い主さんをジッと見つめるのは、愛情や信頼しているという気持ちの表れだと言われています。笑顔で見つめられていたら、愛犬と良い関係が築けていると言えそうです。

こちらの記事もチェック！

愛犬が笑っていたら、飼い主としては癒されますし嬉しいですよね。しかし、犬が笑っているときは、喜んでいるのではなく、飼い主さんの真似をして笑顔を見せていることもあります。

犬は人と共生して進化していく中で、物事を観察したり真似することが得意になったと言われています。そのため、飼い主さんが笑っている姿を見て、同じ表情をしようと真似している可能性があるようです。

また、愛犬の笑顔をみて飼い主さんが喜んだり、褒めたりした経験があると笑顔を見せることがあると言われています。飼い主さんに喜んでもらいたい、褒められたいという気持ちから笑顔になっているのかもしれませんね。

犬が笑っているような表情をしているときは、ポジティブな意味だけではないようです。リラックスしている時に見せる笑顔は「リラックススマイル」と呼ばれていますが、緊張していたり、恐怖や不安を感じている場合にも笑っているような表情をすると言われています。これが、「ストレススマイル」と呼ばれているものです。

嫌がっているときの笑顔は以下のような様子が見られます。

愛犬の笑顔がリラックススマイルかストレススマイルかは、全身にこわばりが見られないか、緊張している様子が見られないかをチェックしましょう。笑っていると思い撫でようとして噛みつかれてしまう、という恐れもあるので注意が必要です。

ストレススマイルがみられるときは、愛犬が何らかのストレスを感じているサインなので、なるべく早く原因を取り除いてあげましょう。

笑っているように見える犬の表情ですが、人間のように「幸せ」や「楽しい」、「嬉しい」とは少し違う場合もあることが分かりました。笑顔に見える表情には、それぞれ以下のような意味があると考えられています。

犬が目を細めているときは、「落ち着いて」と相手に伝えていたり、先述した通り「敵意はありませんよ」と意思表示していると言われています。

その他にも、心地よいときや不安や恐怖を感じているとき、目に何らかの異常があるときにも目を細めることがあるので、普段から愛犬の様子をよく観察し、眼球に傷がついていたり病気の疑いがあるときには早急に動物病院へ連れていきましょう。

犬は穏やかな心理状態のときや満足しているときに口角が上がると言われています。また、とても驚いているときや、楽しくて興奮しているときにも口角があがるようです。

愛犬が前歯を見せてきたら、「威嚇された！」、「なんだか怒ってる？」と思ってしまいますよね。この「前歯を見せる」理由には2つの意味があると言われています。

1つ目は、警戒心から威嚇していたり、怒っているときです。鼻にしわを寄せて低く唸る様子があわせてみられることが多いので、明らかに怒っていると認識することができます。

2つ目は喜んでいるときです。これは先ほど述べたように、飼い主さんが喜んでいるときの表情を真似して笑顔を作ろうとしていると考えられています。尻尾をぶんぶん振っていたり、リラックスしている様子が見られるのであれば、威嚇しているわけではないと言えるでしょう。

ポメラニアンは「ポメスマイル」と言われるほど、いつも笑っているような表情が特徴的ですが、ポメラニアンの他にも笑顔に見える犬たちがいます！

「サモエドスマイル」という言葉は有名ですよね。その高い癒し効果から、「（サモエドの子犬を見たらお迎えせずにはいられないので）サモエドの子犬は見てはいけない」と言われるほど。そんなサモエドを祖先に持つポメラニアンの笑顔もやはり癒し効果は抜群です。

しかし、ここに挙げた犬種以外にも、たくさんのワンちゃんが幸せそうに笑っているのをたくさん見てきました。飼い主さんが一生懸命お世話をして愛情を注げば犬も幸せそうな表情をしているものです。

諸説ありますが、「笑う」という意思表示は人間と、チンパンジー、ゴリラといった類人猿だけであると言われています。そのため、本来犬には「笑う」という意思表示はなく、笑っているように見えても厳密には人間と同じ意味での笑顔ではないと考えられているのです。しかし、犬は人と暮らす中で、人間がどんな気持ちのときにどんな表情をするのかを学習し、表情が豊かになっていくとも言われています。

ただ、すべての子がうまく表情に出すことができるわけではありません。飼い主さんの笑顔を一生懸命真似していてもうまくできない子もいますし、笑顔が顔に出ないだけで楽しいと思ってくれていることもあります。表情だけではなく愛犬の仕草から気持ちを読み取ることが大切です。

生き物を飼っていると、事前に色々なことを調べていたとしても想定外の行動をしたり、その子の個性により一般的な特徴とは大きく変わる面もしばしばありますよね。難しいところでもあり、癒されるところでもあります。

ワンちゃんの中には笑顔を作るのが下手で、表情では怒っているように見えても、実は笑いかけてくれているという場合もあるようです。反対に、笑っているように見えても本当はご機嫌ななめという可能性もあるので、表情だけでなく耳や尻尾の様子も一緒に見て愛犬の気持ちを理解してあげましょう。

犬の笑顔はとても可愛く癒されるものですが、ポジティブな理由ではないこともあります。ポメラニアンは笑っているように見えることが多い犬種ではありますが、愛犬のカーミングシグナルを正しく読み取って、絆を深めてくださいね。

こちらの記事もチェック！