犬の肉球の間が赤いのは大丈夫?指間炎とは?対処法や予防方法を解説
犬の肉球の表面は厚い皮膚で覆われており、その中にはクッション性の高い皮下組織が詰まっています。肉球には、大事な足を保護するとても大切な役割がありますが、素足で生活しているため、しばしば肉球の間が赤くなるなどのトラブルが起きることがあります。今回は、肉球の周辺が赤くなる原因や自宅でできる対処法、予防対策などについて解説します。
目次
犬の肉球の間が赤いときに見られる症状
肉球の間が赤くなっているときは、指間炎(しかんえん)が疑われます。指間炎になると肉球の間が赤くなるだけでなく、痒みや痛み、腫れなどの症状も見られます。また、違和感があることで犬がしきりに舐めてしまい炎症が悪化すると、化膿や出血などの症状を引き起こす場合もあります。
気をつけたいポイント
犬が肉球を噛んでいたり、しつように舐めていたりするときは要注意です。炎症している箇所に触れれば触れるほど症状が悪化してしまうため、愛犬の様子がおかしいと思ったら、すぐに肉球の状態を確認しましょう。
犬の肉球の間が赤い原因
指間炎は何らかの原因により、四肢の指の間や肉球の間に炎症が起きる病気です。指間炎の原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 外傷や汚れによる雑菌の繁殖
- 皮膚炎
- ストレス
肉球は直接地面に接する部分なため、ダメージを受けやすいパーツです。例えば、高温になっているアスファルトの上を歩けば火傷を、鋭利なものを踏んだりすれば傷がついてしまいます。
外傷や汚れ
肉球は直接地面に接する部分なため、ダメージを受けやすいパーツです。
例えば、高温になっているアスファルトの上を歩けば火傷を、鋭利なものを踏んだりすれば傷がついてしまいます。
肉球に傷口ができると犬はその部分が気になってしまい、しつように舐めてしまうことが多々あります。そして、それが原因で雑菌が繁殖し指間炎を招いてしまうのです。
愛犬とのお散歩後、一日一回で良いので足の裏の健康状態も確認するようにしましょう。
皮膚炎
皮膚病がある犬は指間炎になりやすいです。
主に細菌感染による指間炎や、外部寄生虫による指間炎、自己免疫疾患によるものも見られます。
「肉球が赤い」「痛がる」「舐める」など普段と違う様子でしたら、まずは動物病院を受診しましょう。
ストレス
犬のストレスとして、留守番などからくる心因的要因(ストレス)や環境の変化、運動不足や飼い主とのコミュニケーション不足などがあげられます。
犬はストレスが溜まると、足を噛んだり舐めたりすることがあります。これはやり場のない気持ちを吐き出している証拠です。
また、退屈からストレスが溜まり手足を舐める子もいます。
皮膚病や足に異常がないのに舐めたり嚙んだりしている場合はストレスを疑われますので、日常的に愛犬のストレス発散に協力してあげましょう。
犬のストレス解消方法って何がある?
・散歩の時間を増やす。目安として・・
小型犬:1日1~2回 1回15分~30分程度
中型犬:1日1~2回 1回30分~45分程度
大型犬:1日2回 1時間程度
ストレスが溜まっているようでしたら上記よりも回数や時間を増やしてみてください。
・飼育環境を変えてみる
飼育環境を見直してみるのも愛犬のストレス軽減につながることがあります。騒音や芳香剤などの強い刺激を避ける、休める場所(1匹になれる場所)を作ってあげるなど、人には気にならないものが刺激となっていることがありますので一度飼育環境を見直してみるのも手です。
・積極的にスキンシップを図る
家を空ける時間が長かったり、ふれあいが足りない場合、犬はコミュニケーション不足で孤独感を深めストレスを感じることがあります。一緒に遊んだり、なでたりマッサージをしたり触れ合う時間を増やしてみましょう。
どうしても時間がつくれない場合はペットシッターの活用も検討してみてください。
犬の肉球が赤いときはどうしたらいい?
肉球の間が赤くなり炎症が起きてときは、とにかくその部分に触れさせないようにすることが重要です。
飼い主さんができる予防法・対処法
・指の間を清潔に保つ
一番大切なことは肉球を清潔にすることです。ぬるま湯にコットンやガーゼを浸し患部を洗い、乾いた清潔なタオルやガーゼで優しくふきとります。散歩後などは爪や肉球の間に異物が挟まっていないかを確認するようにしましょう。
・散歩は必要に応じて
指間炎は患部が腫れて痛みを伴いますので、片足をあげてヒョコヒョコ歩く跛行や歩行異常が見られる場合は炎症がひどい場合がありますので、散歩は運動不足やストレス解消のためには大切ですが、散歩コースを柔らかい芝生に変える、散歩時間を短くする、くつ下・靴を履かせたりするなど愛犬の状態に合わせて対応するようにしましょう。
・外用薬は飼い主さんの判断で塗らない
症状によってはオススメとも言えるケアグッズなどもありますが、原因によって使用した方がいい場合と、そうでない場合がありますので、動物病院や獣医師に相談のうえ使用しましょう。
・外用薬を舐めてしまう場合の対処法
炎症は動物病院から処方される外用薬や内服薬を使って治していきますが、犬が患部に触れてしまうと症状がぶり返してしまい、完治するのに時間がかかってしまいます。外用薬を塗って愛犬が患部を舐めてしまう場合は靴下やエリザスカラーをつけてあげましょう。
犬の肉球トラブルの予防対策
犬の肉球は衝撃から足の関節や腰を守ったり、ブレーキの役割をしたりなど、重要な役割をしています。そんな大切な身体の一部である肉球にトラブルが起きないよう、日頃から以下のような予防対策をしておきましょう。
とにかく清潔に
上記でも清潔を保つことが大切とお伝えしましたが、 肉球が汚れていると雑菌が繁殖することがあります。散歩から帰ってきたら、足を洗うなどして清潔に保つよう心がけ、1日1回程度は肉球に異物などがないか確認するようにしましょう。
外傷に気をつける
肉球は直接地面につく場所なため、特に気をつけたいのが外傷です。夏場はアスファルトの熱で肉球がやけどしないよう、涼しい時間に散歩をさせるなどして足を守ってあげましょう。
また、散歩時はガラス片など鋭利なものが落ちていないか、足元を注意しながら愛犬と歩くようにしましょう。
なお、足を洗った際は濡れたまま放置していると指や肉球の間が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなるため、しっかりと乾かすようにしましょう。
伸びすぎている毛をカット
毛が肉球に被さっている場合は伸びすぎです。肉球が見えるぐらいにカットしてすっきりさせましょう。肉球の周りには汗腺があるため、毛が無駄に密集していると汗により肉球の間が蒸れて、雑菌の繁殖を招くことがあります。
皮膚疾患のある子はトリミング後にも注意
皮膚疾患のある子はケアが必要です。トリミングの際に足裏バリカンなどを注文したあとは、犬が違和感なく過ごしているかをみてあげてください。
保湿クリームを塗る
空気が乾燥ぎみになる冬場は、肉球が乾燥しやすくなります。肉球の乾燥はひび割れの原因になるため、肉球がカサカサしている場合は、肉球専用の保湿クリームを塗って潤いを与えてあげましょう。
指間炎になりやすい犬種はいる?
実は指間炎になりやすいといわれる犬種が存在します。
パグ/シーズー/柴犬/フレンチブルドッグ/ダックスフンド/ゴールデンレトリバー/ヨークシャテリア/ペキニーズ/ミニチュアシュナウザー/
など長毛種で定期的なカットが必要な犬種や、皮膚病が多い犬種、大型犬は間炎になりやすいと言われています。
しかし散歩習慣や飼育環境で発症のしやすさも大きく変わってきます。飼い主が気を付けていれば防ぐことも十分にできる疾患ですので愛犬の手足や爪は習慣的に確認するようにしましょう。
肉球を守るために日々状態をチェックしよう
犬の肉球の間が赤くなっているときは、何らかの原因により炎症が起きているサインです。犬が患部を舐めたり噛んだりするとなかなか完治しないため、エザベスカラーを装着するなどして、とにかく触らせないようにしましょう。
日頃から肉球の状態をチェックし、必要に応じて保湿クリームを塗る、肉球の間の毛をカットするなどのケアを行い、大切な肉球を守ってあげてください。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!