犬も睡眠不足になるの?犬に必要な睡眠時間と長さの理由について
愛犬が普段どのくらいの時間寝ているかをご存知でしょうか?また、適切な犬の睡眠時間を知っていますか?人間の場合は、大体6~8時間くらいの睡眠が適切と言われていますが、愛犬の睡眠時間については、何か家事や仕事をしていたり外出していたりしてチェックすることが出来ないため、よく分からないことも多いと思います。今回は犬の睡眠について、必要な睡眠時間や、犬がなかなか寝ない時の対処法などを解説していきます。
犬に必要な睡眠時間ってどれくらい?
犬の適切な睡眠時間は犬の年齢によって異なっています。1歳までの子犬では1日18時間、1歳〜7歳までの成犬では12〜14時間、7歳以上のシニア犬では18〜19時間くらいです。
犬と人で睡眠時間が違うのはなぜ?
犬の方が人よりも多くの睡眠時間が必要であることが分かりましたが、一体それはなぜなのでしょうか?答えは睡眠の質が違うからです。
人は睡眠の8割が深い睡眠であるのに対して、犬では8割が浅い睡眠であると言われています。その理由は犬が昔、狩猟生活をしていた頃にさかのぼります。野生の中で生活していた犬は、夜中に敵に襲われないように、敵の気配にすぐに気がつくことができるよう浅い眠りが大部分を占めていたと考えられています。そして狩りに備えて体力を温存させるために長い睡眠時間が必要だとされています。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい犬種
人間で問題になることがある睡眠時無呼吸症候群ですが、犬にも同様の病気があることが分かっています。
人間の場合、肥満などが原因の一つとして挙げられていますが、犬の場合はパグやブルドックなど鼻の短い犬種がこの病気になりやすいと言われています。これらの犬種は鼻の短い独特な顔にするために改良した結果、鼻の孔がせまいだけでなく、喉の奥にある軟口蓋という部分が他の犬種と比べて長いため睡眠時に気道を閉塞してしまうことがあります。その結果、無呼吸となってしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群の処置は?
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群の原因は構造的な問題のため治療するには内科治療ではなく、鼻の孔を広げたり軟口蓋を切除する外科手術が選択されます。
睡眠時間が長すぎると病気かも?
犬は年齢や犬種それぞれの個体によって必要とする睡眠時間が異なります。しかし犬が普段よりよく寝ていると感じる時には少し注意してみてあげましょう。遊び過ぎて疲れがたまっているということなら問題はないのですが、体調が悪いという可能性もあります。
また犬種によってはナルコレプシーという病気にかかりやすい犬種もいます。この病気の症状として、睡眠時間がとても長い、食事や遊びなどの刺激で体の筋肉が脱力するということがあります。ドーベルマン、ラブラドールレトリバー、ダックスフンドなどの犬種で遺伝的に発症しやすいと言われています。
治療としては毎日の服薬が必要となります。この病気は命に関わる病気ではないのですが、一生涯つきあっていかなければならない病気です。
犬も睡眠導入剤を使うもの?
シニア犬になると睡眠の質が変化してきます。夜になかなか寝付けなかったり、昼間の寝ている時間が多くなる子もいます。
また犬の平均寿命が延びたことにより、人の認知症のような症状を示す犬も増えています。認知症のような症状を示す犬では夜泣きをするようになったり昼夜逆転してしまうなど、夜になかなか寝てくれなくなる場合があります。そういった場合には犬用の睡眠導入剤が使われることもあります。
犬も睡眠不足になる?
犬も睡眠不足になることがあります。特に小さい子供がいる家で飼われている子犬は睡眠不足になりやすいようです。子犬はとても可愛いので、小さい子供が近づいてしまうことで落ち着いて眠れず睡眠不足となってしまいます。
前述したように、子犬は成長するために必要とする睡眠時間がとても長いです。寝不足になると体調が悪くなったり異常行動を起こしやすくなってしまいます。犬が寝ている時はできるだけ近寄らないようにしてあげてくださいね。
快適な空間を作って愛犬にぐっすり眠ってもらおう
今回は犬の睡眠時間について解説しました。愛犬が長生きするためには十分な睡眠時間が必要であることが分かったと思います。人も愛犬も睡眠不足は病気やストレスのもととなります。睡眠時間をたっぷりとって健康に長生きして過ごしましょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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