犬の指間炎ってなに?症状や原因、対策についてご紹介します
あなたの愛犬は、手先や足先をしきりに舐めたりしていませんか?もしそんな症状が見られたら、指間炎という病気を罹っているかもしれません。本記事ではそんな指間炎の症状や原因、対策などをご紹介していきます。
犬の指間炎の症状とは?
指間炎とは、様々な原因で四肢の肉球や指の間に炎症を起こし、赤みや腫れ、ひどいと出血したり排膿したりする疾患で、皮膚炎の一種です。それに伴い痛みや痒みが生じ、犬が舐めたり噛んだりすることにより、これらの症状がさらに悪化することがあります。また逆に、様々な原因により先に痛みや痒みが生じ、そのために皮膚炎が生じ、さらに痛みや痒みを生じ悪化することもあります。
指間皮膚炎になってしまったら、どうすればいい?
指間皮膚炎になると痒みが強いことも多く、睡眠が妨げられることもあります。また痛みから跛行(肢を引きずって歩くこと)も生じることもあり、放っておくと良くないでしょう。では指間皮膚炎になった場合の対策をご紹介します。
神経疾患であればMRI検査などが必要になることがあります。
家庭でのケアは?
指間炎は皮膚疾患や指の間の外傷から生じる場合が多いです。そこで肢先を常に清潔に保つと良いでしょう。特に毛の長い犬種では足裏の毛が長くなりすぎると、皮膚の確認もしづらく、不潔になりがちになります。また爪が長いことも怪我に繋がりやすいです。爪や足裏の毛のお手入れを月に1回はしてあげるようにすると良いでしょう。
自宅でできない場合にはお近くの動物病院やトリミングサロンでやってくれるので、是非連れて行ってあげて下さい。定期的に肢先の皮膚をチェックし、赤みなどの皮膚炎の徴候や傷がないかの確認もしてあげましょう。沢山舐めるようであれば、カラーをするのも一つの方法です。
診断と治療は?
症状が強いときは動物病院を受診しましょう。動物病院では視診や身体検査、皮膚検査などにより上述した原因をまずは特定します。皮膚疾患であれば、治療として外用消毒、薬浴、包帯、あるいは軟膏などの外用療法、場合によっては飲み薬による治療を行うことになります。皮膚以外の病気では整形外科疾患であれば単純X線検査などが必要ですし、場合によっては神経疾患であればMRI検査などが必要になることがあります。
犬が指間炎になる原因とは?
指間炎の発症には様々な原因があり、それとともに悪化の要因にも注目する必要があります。原因は皮膚自体の疾患、皮膚以外の疾患、精神的な問題に分けることが出来ます。ここからはその原因についてご紹介していきます。
指間炎になりやすい犬種
皮膚から分泌する脂が比較的多いシーズーやゴールデンレトリバー・フレンチブルドッグ・パグなどの犬種は指間炎に罹ってしまうことが多く見られます。その他、アトピー性皮膚炎が多い柴犬やウェストランドホワイトテリアなどにも認められます。
皮膚疾患
指間炎は、皮膚の感染症であるニキビダニ症や皮膚糸状菌症(皮膚に寄生するカビ)が原因として挙げられます。肢先はアトピー性皮膚炎や食物アレルギーといったアレルギー性皮膚炎の病変が出やすい場所でもあります。
さらに肢先の傷、そして木くずなどの棘などの異物の迷入なども原因として考えられます。これらの原因に加えて、指の間の脂漏性皮膚炎(皮膚の分泌する脂が多いことにより環境が悪化し、さらに元々皮膚にいるマラセチアというカビが増加する皮膚炎)、あるいは肢先に出来た肥満細胞腫や脂腺腺腫などの腫瘤、皮膚の常在細菌が悪さをする膿皮症が原因でよく舐めるようになり、さらに皮膚炎が悪化することもあります。
また爪が長くなりすぎて、折れたり割れたりすると舐めることの原因になる可能性もあります。
皮膚以外の疾患
元々皮膚自体に問題がなく、痛みや感覚異常が原因で舐めることで皮膚炎が生じてしまう場合もあります。最も注目したいのが骨や関節などの病気である整形外科疾患です。痛みなどの感覚異常を引き起こしうる変形性関節症などが挙げられます。
また、頸部の椎間板ヘルニアなど四肢を支配する末梢および中枢神経疾患による感覚異常が原因のこともあります。さらに中枢神経異常としててんかん発作の症状の一種で肢先をしきりに舐めるようになることもあります。
精神的な問題
言葉を解さない犬の精神について私たちが理解できる部分はまだまだ少ないですが、幼少期の精神発達、日常にみられる小さく煩わしいストレッサーによる不安からしきりに肢先を舐めるようになり、指間炎になることがあります。
愛犬が指間炎になってしまったら
今回ご紹介した指間炎の症状が頻繁に見られるようであれば、自宅でのケアに加え、動物病院での受診も検討してみてください。
指間炎の原因は様々なものがあるので、全く的外れだったり、返って悪化の原因になるかもしれませんので、人の外用薬を使用するのは、あまりお勧めできません。
大切な愛犬の健康を守るため、普段から愛犬の様子をよく観察し、いつもと違う動きをしていないか確認しておくようにしましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。