知れば知るほど面白いドッグショーの世界!歴史や種類、楽しみ方をご紹介します
みなさんはドッグショーというものを知っていますか?「美しい犬を決めるコンテスト」と勘違いされがちなイベントですが、実は犬という種を守るための大切な催しものです。今回は、意外と複雑で奥が深いドッグショーについて、その歴史や種類、楽しみ方までご紹介します。
ドッグショーってなに?
世界にはさまざまな犬種がおり、国際畜犬連盟(FCI)に公認されている犬種は344犬種。さらにそのなかでジャパンケネルクラブ(JKC)に登録されている犬種は約200犬種もあります。
それぞれの犬種には、理想像として「犬種標準(スタンダード)」が定められています。ドッグショーではこのスタンダードを審査の基準にして、その犬種の正しい姿形、能力、性質をもつ優れた犬を決めます。
なぜスタンダードを定めるの?
「スタンダードに近い=その犬種の理想に近い=良い血統の犬である」ということになり、良い繁殖(ブリード)の証にもなります。犬だけでなく、その犬を繁殖したブリーダーも評価することで、さらに良い犬の繁殖に繋がります。 こうして犬種のスタンダードを守り繁殖することで、時代が過ぎても犬たちはそのままの姿形であり続けることができます。
とても長い歴史をもつドッグショー
ドッグショーの起源は、イギリス人が酒場で愛犬自慢を楽しんでいたことと言われています。初めて組織としてドッグショーが開かれたのは、1859年のイギリス(ニューカッスル)とされています。その後、細かいルールなどを作るため、ケネルクラブが1873年に創立されました。
日本では明治維新以降に西洋犬が多く飼育されるようになり「帝国軍用犬協会」や「日本犬保存会」などが多く設立されて、小規模ながら品評会も開かれていました。戦争や貧困の影響で犬の飼育数が激減したため、1950年代に入ってようやく日本のドッグショーは欧米諸国に追いつき始めます。
ドッグショーの種類
ドッグショーは、主催によってショーそのものの名前や規模が変わります。さらに対象犬種も3つに分類され、少し複雑にショーの種類が分かれています。「どこが主催のどんな犬種が集まるドッグショーなのか」をまずは知りましょう。
【主催別のドッグショー名】
・FCIジャパンインターナショナルドッグショー
・FCIインターナショナルドッグショー
・クラブ連合会展
・犬種部会展
・全犬種クラブ展
【対象犬種別のドッグショー名】
・全犬種展覧会(オールブリード・ショー)
・犬種群展覧会(グループ・ショー)
・単犬種展覧会(スペシャリティー・ショー)
詳しくは一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)のホームページをご覧ください
犬好きなら一度はイベントに行ってみて
犬好きなら行って損はないドッグショーや併開催のイベントをご紹介します。
FCI展
FCI展は開催地が限られてしまいますが、とにかく規模が大きく、参加する犬や人も桁違いです。アジリティー大会やトリミングコンテストなどが併催されたり、フードやペット用品の企業ブースが設置されたりもします。
各クラブ展
各クラブ展は、規模は大小ながら毎週末のようにどこかの地域で開催されています。会場の雰囲気も和気藹々としており、ペット用品の露店もでることがあります。特に初めてドッグショーに参加、見学する場合におすすめです。
その他の展示
犬種グループごとやひとつの犬種のみで開催されるドッグショーは、規模は小さめなことがほとんどですが、特定の犬種を存分に見ることができます。
ドッグショーに行くときの注意点
ドッグショーの見学に愛犬を同伴させるときには管理をきちんとしましょう。会場にはショーに出場する犬はもちろん、その他にもたくさんの犬がいます。最低限のしつけやマナー、排泄管理は重要です。
会場にいる犬を触ったり写真を撮ったりするときは、必ず許可をとりましょう。犬の傍にはその犬を出陳させるブリーダー、またはショーで犬を引くハンドラーがいるはずです。
出番目前になると、出場する犬とハンドラーがステージの脇に集まってきます。コンディションや集中を崩してしまわないよう、話しかけたり気を引くことは控えましょう。
奥が深いドッグショーの世界
マイナーな犬種を見る、愛犬と同じ犬種を見る、併催のイベントを観る、犬種図鑑を片手に勉強に行く、一般オーナーハンドラーとして出場する、ドッグショーにはさまざまな楽しみ方があります。素晴らしい犬たちを素晴らしいままに残すための大切なドッグショー。ぜひ一度、足を運んでみてください。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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